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フレイヤ「んー・・・本当、何処いっちゃったのかな」

なかなかリリカが見つからないので、2人は困ってしまいました。

ミヤビ「なかなかてこずらせてくれるじゃない」
ミヤビはくすり、と黒い笑みを浮かべました。
フレイヤ「ちょ、ちょっと、駄目だってば」
何をしでかすか分からないので、フレイヤは急いで止めに入ります。

フレイヤ「もー、リリカちゃんは遠くから遊びに来てくれたんだから、変なことしちゃ駄目だよ」
ミヤビ「そんなこと分かってるわよ、さっきのは冗談だって」
フレイヤ「冗談じゃなかったら困るよー」
あはは、と2人は笑い声をあげます。

しかし、そんな声も雨にかき消されてしまいました。
冷たい水が身体を叩き、彼女達の体力を奪います。
足場も大分ぬかるんで、チャオにとってはとても歩きづらい道となっていました。

ミヤビ「・・・ここにはいないみたいだし、南の方にでも行ってみる?」
フレイヤ「そうしよっか」

西の森を暫く歩き回ってみても、リリカの姿は見えませんでした。
あと探していないのは、北と、南。
今、フレイヤ達がいるのは西の森の南端。

南へ行くのは少し抵抗がありましたが、もしそこにリリカがいるとすれば、行かないわけにはいきません。
フレイヤ「南って危ないところ多いんだよね・・・」
ミヤビ「気をつけて行かないとね」





ミラル「ん?あいつら・・・西の森から・・・?」
帰り道、ミラル達はフレイヤとミヤビを見かけました。
彼女達は確か東の森に住んでいたはず・・・それが西の森にいたのです。
ナゾナゾ「ああ、多分迷子を捜しているんだと思いますよ」
さっき、メーデやクレア達と一緒にいたナゾナゾは、そのことを知っていました。
ミラル「迷子?誰だよ??」
ナゾナゾ「さあ?聞いていないので分からないですね」
ミラル「あっそ・・・」

へぇ、と思っただけだったミラルは、直後彼女達が向かっている方向に気づき、少なからず驚きました。
ミラル「って、あっちは南じゃねーか!」
ナゾナゾ「そのようですね」
元々危険な所が多い上、今は雨が降っています。
大丈夫とはとても思えませんでした。

ミラル(・・・)
ミラルは複雑な表情を浮かべました。


ナゾナゾ「追いかけますか?」


ミラル「ぅえっ?」
余りに予想外の問いがかけられたので、ミラルはおかしな声を上げてしまいました。
少しの時が経って、ミラルは答えました。

「―――行く」


このページについて
掲載号
週刊チャオ第298号
ページ番号
30 / 33
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第266号
最終掲載
週刊チャオ第312号
連載期間
約10ヵ月19日