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ニコニコ「……嵐が過ぎ去った感じ…」
クレア「嵐じゃないと思うけど」
メーデ「…同感」
プンプン「嵐にしちゃ滞在期間長すぎだろ」
ニコニコ「……皆で反論することないじゃないかー!!」
ナゾナゾ達が彼らの元を去った暫く後。
ようやく我に返った4人は、そんな会話を交わしていました。
プンプン「で、これからどこ行くんだよ」
クレア「うーん……」
ナゾナゾ達が消えた方へ追いかけてみる、という選択肢は、とりあえず却下されました。
メーデ「そんなことしたら、また見つかった時に問題出されちゃうわよ!?」
ではどの方角へ進むか。
…ニコニコが何かを見つけました。
ニコニコ「ねぇ、この棒で決めない??」
持っていたのは木の枝。
ニコニコは、それを地面に立て、そっと手を離しました。
パタン…、と倒れたその先は、
クレア「南…」
向かうは南の森。
プンプン「あそこは危険な場所が多いからな、気をつけろよ!」
ニコニコ「ま、大丈夫でしょ」
メーデ「さーって、リリカ探し再開っと!」
クレア「早く見つかるといいけど」
歩き出すのは4人同時に。
そんな意気込みに反して、空模様は怪しくなっていきます。
西の森周辺。
歩いているのは、フレイヤと、ミヤビです。
フレイヤ「…?ねぇ、何か雨降ってない?」
ポツポツ、と地面に斑点が出来ていきます。
ミヤビ「あ、本当……どこか雨宿りしなきゃ…」
近くにあった洞穴に2人は隠れました。
雨は益々激しくなっていきます。
と、そんな時、どこかから歌が聞こえました。
ミヤビ「ん…?遠くで誰かが歌って……フレイヤ?」
いつの間にかフレイヤが洞穴から出ているので、ミヤビも慌てて外に出ました。
フレイヤ「この歌…アイリスだ」
ミヤビ「え?」
フレイヤがまだチャオガーデンにいた頃、アイリスがよく歌っていた歌でした。
それは、柔らかくて綺麗な音を奏で、遠い彼女へと届く、優しい歌。
雨の音に合わせて、それはどこまでも美しい音色を響かせていました。
フレイヤ「…いこっか」
雨が少し弱まってきた頃、フレイヤはそう、呟きました。
ちゃんと聞こうとしなければ雨にかき消されてしまう程の小さな声で。
ミヤビ「……そうだね」
雨は上がらず、未だに降り続いていました。