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ミヤビ「はぁー…なるほどねぇ」
森のど真ん中。
ミヤビは大きなため息をつきました。
フレイヤに、今までの経緯を聞いていたのです。
…とは言っても、彼女の知る範囲のことだけですが。
リリカがいなくなったことと、それを何人かが探しに行ったこと。
自分が集落に残ったこと。それだけです。
今皆がどこにいるのかも分からないし、どこが探し済みなのかも勿論分かりません。
ミヤビ「これでどーやって探せって言うのよぉ……」
フレイヤ「……」
その答えはどこにも存在しないのでしょう。
はぁ……
再びため息が聞こえました。
ミヤビ「まぁ、仕方ないか…とりあえずどっか探してみようよ」
よーし、と手を上に突き上げるミヤビ。
フレイヤ「うん、そだね。じゃあ早く行かないとっ」
チャオの姿を探して、二人は走り出しました。
走り出して十数分。
フレイヤ「あー疲れた!ねぇ、走るのやめて歩かない?」
ミヤビ「ん?いいよー」
やはり走り続けるのは疲れてしまいます。
ペースダウンしてゆっくり歩くことにしました。
フレイヤ「皆どこ探してるのかなぁ?」
これだけ走っても誰にも会わないのだから、ちょっと不思議です。
フレイヤ「森の端っこでも探してるのかもね」
ミヤビ「かも知れないねぇー」
中央付近にリリカはいないようです。
二人は西に向かって進んでいきました。