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アイリスとフレイヤは、まだ楽しそうに喋っていました。
フレイヤ「うんうん、それで?」
内容は、専らチャオガーデンでの話です。
アイリス「それでねぇー、リリカがバケツで水を撒いたんだけど、その水でメーデが滑って転んじゃったのよー」
フレイヤ「あっははは!何それぇー」
その話はメーデにはっきりと聞こえました。
アイリス「それでねそれでねー」
喋っている二人にゆっくりと近づき、メーデは言いました。
メーデ「それで…何?」
アイリス「それで暫く気絶しちゃってー……あれ?」
メーデ「あれ?じゃないわよ…あんたそれは言わない約束だったわよね…?」
フレイヤ(何か…メーデ怖くなってない…?)
アイリス「あ、あはは…そうだったかしら……」
アイリスとフレイヤの額には冷や汗が浮かんでいました。
メーデ「あら、約束忘れてたの…?いけないわねぇ、約束破りは」
アイリス「ご、ごめんなさいー!……ってあれ?リリカは?」
逃げようとした瞬間、アイリスはリリカがいないことに気づきました。
メーデ「は?……あれ、ほんとだ」
とりあえず危機から脱したアイリスは、他のチャオ達に聞いてみることにしました。


アイリス「あのぉー、リリカがどこに行ったか知ってる人いますかぁ?」
アイリスは大きめの声を出して、皆に聞いてみました。
クレア「え、知らないけどー…」
ニコニコ「ボクも知らないですー」
プンプン「さぁ?知らないなぁ」
ウォーター「どうしたんだい?アイリス、何かあったのか?」
ウォーターの問いに、アイリスは少し心配そうな表情で答えました。
アイリス「えっとね、リリカが居なくなっちゃったの…。誰か居場所を知ってたら良かったんだけど……」
そんなアイリスの様子を見て、ウォーターは慌てて元気付けようと言いました。
ウォーター「だ、大丈夫!絶対見つかるさ。一緒に探しに行くか?」
何も考えずに言ってしまった後に、ウォーターはあることに気づきました。
ウォーター(あれ…?一緒に、行く??……って、こ、これはぁっ!!?)
アイリスが行けばメーデや他のチャオ達も付いてくるに決まっています。
しかし、今のウォーターにそこまで考えを回す余裕はありませんでした。
アイリス「じゃあ、一緒に来てくれる?」
ウォーター「……ん、あ??…あ、ああ!一緒に探しに行こう」
返事を聞き、アイリスはぱっと明るい表情になりました。
アイリス「ありがとう!」
メーデ「じゃ、決まりね」
皆が今すぐにでも行こうとしていた時、フレイヤの声が上がった。
フレイヤ「ワタシはここに残るわ。皆が行っちゃったらリリカちゃんが帰って来た時、可哀想だもの」
その声を聞き、アイリスは反論したくなりましたが、ぐっと堪えました。
アイリス「うん……分かった…なるべく早く見つけて戻ってくるね!」
こうして、アイリス、メーデ、ウォーター、ニコニコ、プンプン、クレアはリリカを探す為、森へ出発しました。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第268号兼GW&ライカ記念特別号
ページ番号
12 / 33
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第266号
最終掲載
週刊チャオ第312号
連載期間
約10ヵ月19日