3
    ここは、チャオガーデンから遠く離れた森の中。
その中をある一匹の鳥が飛んでいました。
バサッバサッ……
クレア「ん?何か聞こえる…あぁー郵便鳥ねぇ」
郵便鳥と呼ばれた鳥は、足に掛けていた封筒をクレアの上に落とした。
クレア「ありがとねぇー」
郵便鳥は、またどこかへ手紙を届けに飛び立っていった。
クレア「誰宛だろ?……ん、フレイヤ宛だ。この間のアイリスちゃんからかな?」
クレアは皆のいる場所へスキップして行った。
フレイヤ「ふぁあ~…ねむ」
ミヤビ「こらこらぁ、まだ全部の実とってないじゃない」
チャオ達は、周りの木を揺らして、木の実をとっているのでした。
中でもフレイヤとミヤビは力が強いので、木の実取りなど、力仕事にはよく駆り出されるのです。
フレイヤ「はいはぁ~い…お腹空いたぁー」
目の前に木の実があるのに、食べるのは全部取った後。
フレイヤはその何とも言えないもどかしさを押さえ込み、また木を揺らし始めました。
クレア「フレイヤぁ~~!!」
今まさに木の実が落ちようとしていたその時、クレアの叫びが聞こえました。
フレイヤ「クレアー、どうしたの~??」
クレアは全速力でフレイヤの前にたどり着くと、手紙を突きつけて言いました。
クレア「アイリスちゃんから手紙届いたよ!」
ミヤビ(あー…こりゃもう仕事しないな)
フレイヤ「マジで!?やったぁーー!久しぶりだからワクワクしちゃうー」
フレイヤは早速封を切ると、手紙を読み始めました。
――――――――――――――――――――――――――――――
 フレイヤへ
久しぶり!アイリスです。元気にしてた?
この間、チャオガーデンに新しいチャオが来たよ♪
名前はリリカって言って、何故か凄く高く飛べるみたい。
この便箋を木の上から取ってきちゃったんだもん。
今度そっちに行く時は、リリカも連れて行くね!
それと、今度はびっくりな話ね。
洞窟の奥に、紫色のカボチャがあったの!
腐ってるわけじゃ無いみたいなんだけど、ちょっと驚きだよね?
フレイヤにも見せてあげたいなー…。
あとねー、チャオレースで優勝したんだ!
ジュエルレースのダイヤモンド。
あの戦いは大変だったんだよー?
転んだりしたけど、とっても楽しかった!
また今度フレイヤに会いに行くね!
その時は是非しかくい実を食べたいなー…てへ。
それじゃあまたね☆彡
                       アイリス
――――――――――――――――――――――――――――――
フレイヤ(そのカボチャ、ワタシが置いといたんだけど…やっと気づいたみたいね)
ミヤビ「えーい!」
ミヤビは止まっていた手を再び動かし始めました。
クレア「ボクも手伝おっか?うりゃぁっ!」
フレイヤが手紙を読むのに没頭しているので、代わりにクレアが手伝うことにしました。
チャオ達「こっちも手伝ってー」
ミヤビ「はいはーい!」
他のチャオが木の実を一生懸命取っている間、フレイヤはずっと手紙を読み続けていました。
フレイヤ「さぁて、手紙も読み終わったことだし、木の実取るぞー!…って、あれ?」
周りを見渡しても、木の実が生っている木は一本もありません。
ミヤビ「もう全部とったわよー」
クレア「フレイヤって手紙読むの遅すぎだよー」
チャオ達「確かにねー」「うんうん」
クレア「はい、フレイヤもゴハンにしようよ」
フレイヤ「…ゴメン」
ミヤビ「いいって!ささ、食べよ?」
チャオ達「いただきまぁーす」
皆は木の実を食べ始めました。
フレイヤ「ごちそうさまー、えーっと、返事書かないと」
便箋を取り出し、フレイヤはアイリス宛の返事を書き始めました。
クレア「お休みー」
ミヤビ「お休み」
クレアは眠り、ミヤビは空を見上げました。
空には郵便鳥が大きな翼を羽ばたかせて飛んでいる姿が見えました。

 タイトル別
タイトル別 作家別
作家別 タグ別
タグ別 掲載号別
掲載号別