リリカ「くー」
メーデ「よく寝てるわ、リリカ」
リリカが寝ているので、チャオガーデンには久々に静かなゆったりとした空間ができていました。
ハピル「こんにちはぁ」
チャオガーデンに聞こえるはずの無い声が響きました。
アイリス「あれ、ハピルじゃない!」
メーデ「どうしたの?」
ハピル「ヒーローガーデンにアイリス宛の手紙が届いちゃったの。郵便鳥さんが間違えちゃったのかな?」
ハピルの手には便箋が乗っていました。
アイリス「あぁー!それフレイヤからのじゃない!」
ハピル「そうみたい。はい、どうぞ」
アイリス「わざわざありがとう」
封筒は、ハピルからフレイヤの手に渡りました。
メーデ「それにしても久しぶりね」
ハピル「チャオガーデンが懐かしいです」
ハピルは元々チャオガーデンに住んでいるチャオでした。しかし、ヒーローに育った為、ヒーローガーデンに移ることになったのでした。
アイリス「そっちはどう?」
ハピル「んーとね、この前卵が孵ったの」
メーデ「へぇー、こっちも孵ったよー」
ハピル「そうなの?」
アイリス「あれあれ、あそこで寝てるのがそうだよ」
ハピル「そうなんだぁ~…お互いがんばろうね!」
メーデ「そうだねー」
アイリス「りょーかーい」
二人は何故か敬礼のポーズをとりました。
ハピル「何してるの?二人とも」
アイリス「あ、いやいや」
メーデ「特に意味は無いんだけどね」
ハピル「変わらないね、二人とも……くすくす」
笑いながら、ハピルは用事を思い出しました。
ハピル「あ、ごめん!そろそろ用事があるからヒーローガーデンに戻るね」
アイリス「ばいばーい」
メーデ「今度遊びに行ってもいい?」
ハピル「勿論!待ってるわ」
二人は駆け足で帰っていくハピルに手を振りました。

アイリス「変わらないねぇーワタシ達」
メーデ「確かに…」
アイリス「あ、そーだ!手紙読まないと」
アイリスは封筒を開けました。
メーデ「さぁーて、ワタシも寝るとしますか…お休みー」
アイリス「お休みなさーい」
アイリスが言うと、メーデは眠りにつきました。
アイリス「さて、お返事は何かな?」
手紙を開き、アイリスは森の様子を思い浮かべました。
――――――――――――――――――――――――――――――
 アイリスへ

手紙ありがとう。ワタシは元気だよ!
新しいチャオかぁ~…。会いたいなぁ。
今度連れて来てね♪あ、でも待ちきれなくてそっちに会いに行っちゃうかも。
でも羨ましいなぁーリリカちゃん。高く飛べるんでしょ?私全然だもん。
リリカちゃんによろしく言っといてね!

あと知ってた?
アイリスが見つけたっていう紫色のカボチャ。
あれワタシが洞窟に置いといたんだよー?
アイリス気づくの遅すぎ♪♪でも驚いたみたいだねぇ。
崖の天辺に置いてあったの。誰が置いたんだろうね?

それと、チャオレース優勝おめでとう!
アイリス、ワタシと同じくらい走るの速いもんね。
あ、でもメーデもすごく速かったっけ。
今度また駆けっこしようね☆

それにしても、アイリスって本当にしかくい実好きだよねー。
じゃあ沢山用意しておくから、ちゃんと来てよ?

また会いましょう♪
                         フレイヤ
――――――――――――――――――――――――――――――

アイリス「うそ!?あのカボチャフレイヤが見つけたの!!?」
手紙を読み終えるなり、アイリスは叫びました。
リリカ「ん~…うぅー?」
アイリスが大声を出したので、リリカは目を覚ましてしまいました。
メーデ「アイリスー、リリカ起こしちゃ駄目じゃない」
アイリス「え?…あ、ごめーん」
リリカ「だめだよー」
アイリス「リリカ、ごめんね」
リリカ「いいのー」
メーデ「大分言葉覚えたみたいだねー」
リリカ「あたまいー」
アイリス「く、ふふっ!自分で言ってるし」
リリカ「いってるし」
何かとリリカは二人を笑わせてくれるようです。

アイリス「ねぇ、今度フレイヤの所に行こう!」
メーデ「い、いきなり!?」
リリカ「いこー」
アイリス「駄目かなぁ?」
メーデ「いや、駄目じゃないけどさぁー、いつ行くの?」
アイリス「それはフレイヤと相談してみないと」
リリカ「みないとぅ」
アイリスは早速手紙を書き始めました。
メーデ「まぁ、いっか」
アイリス「じゃあ決まりね!」
リリカ「きまりー」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第267号
ページ番号
4 / 33
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第266号
最終掲載
週刊チャオ第312号
連載期間
約10ヵ月19日