第7話
啓作の目の前には、チャオガーデンへ通じるゲート、後ろには、チャオ幼稚園へ通じるゲート。
それは、間違いなく昨日と同じ場所だった。
チャオガーデンへ通じるゲートへと足を運ぶ。
一瞬あたりが暗くなったが、すぐに青空が見えた。
昨日と同じ場所に卵があった。
昨日はちらっと見ただけだったから気付かなかったけど、意外と大きいな。
啓作には、勿論興味があったが不安もあった。
この卵をどうしたら良いのかという不安が。
恐る恐る卵に近づき、優しく撫でた。
彼は、それにより不安が安心に変わったのだろう。次の瞬間、卵を抱きかかえた。
「あったかい。頑張って産まれてこいよ」
人間とは、無垢なものに対し、自然と独り言を口走るものだ。
そういえば、あの洞窟はなんだろう?どこに続いて…
「おわっ!…?……!!」
啓作がそんなことを考えていると、抱きかかえていた球体が勢いよく反応し始め、一瞬にして殻が割れた。
中からは、水色の愛くるしい目をした、いや、存在そのものが愛くるしい生物が産まれた。
「お前が、チャオ…」
−−−続