第7話

啓作の目の前には、チャオガーデンへ通じるゲート、後ろには、チャオ幼稚園へ通じるゲート。
それは、間違いなく昨日と同じ場所だった。


チャオガーデンへ通じるゲートへと足を運ぶ。

一瞬あたりが暗くなったが、すぐに青空が見えた。

昨日と同じ場所に卵があった。


昨日はちらっと見ただけだったから気付かなかったけど、意外と大きいな。


啓作には、勿論興味があったが不安もあった。
この卵をどうしたら良いのかという不安が。

恐る恐る卵に近づき、優しく撫でた。


彼は、それにより不安が安心に変わったのだろう。次の瞬間、卵を抱きかかえた。


「あったかい。頑張って産まれてこいよ」


人間とは、無垢なものに対し、自然と独り言を口走るものだ。


そういえば、あの洞窟はなんだろう?どこに続いて…

「おわっ!…?……!!」


啓作がそんなことを考えていると、抱きかかえていた球体が勢いよく反応し始め、一瞬にして殻が割れた。

中からは、水色の愛くるしい目をした、いや、存在そのものが愛くるしい生物が産まれた。


「お前が、チャオ…」


−−−続

このページについて
掲載日
2010年5月16日
ページ番号
16 / 17
この作品について
タイトル
振り返れば、あの日と同じ坂道
作者
チャフカ(エキドゥナファン)
初回掲載
週刊チャオ第328号
最終掲載
2010年5月16日
連載期間
約1年10ヵ月19日