第8話

うーうー

チャオはあどけない顔でそんな事を言っている。


可愛いな…よしよし。

…!?

チャオを撫でた途端、頭がハートになった。
いや、正確には頭ではない。
頭の上に浮いている、ぽよぽよした黄色いものがハートになったのだ。

チャオは安心したような顔をしている。


これは…チャオが安らいでるのかな…?

僕がそんなことを思っていると、チャオが突然腕の中からするりと抜けてハイハイしだした。
チャオの向かう先には木の実が。

チャオはそこへたどり着くと、おいしそうに木の実を食べ出した。

一口ずつではあるが、完食した。


「おお。チャオは残さず食べて偉いな」

啓作はまたチャオを撫でていた。

ハートになっているぽよぽよを見ながら、ふと啓作は思った。


チャオはチャオと呼んでいいのだろうか、名前を付けるべきなのではないのか、と。


「おいで」

僕はチャオを抱き上げて、幼稚園へ足を運んだ。


−−−続

このページについて
掲載日
2010年5月16日
ページ番号
17 / 17
この作品について
タイトル
振り返れば、あの日と同じ坂道
作者
チャフカ(エキドゥナファン)
初回掲載
週刊チャオ第328号
最終掲載
2010年5月16日
連載期間
約1年10ヵ月19日