第4話

見ると目の前には、大きな滝とその奥に洞窟、なにやら木の実の成っている木が三本、そして一つの卵があった。

「啓作、ここはチャオガーデンという場所だ」
「チャオガーデンとは、何ですか?」

家柄の都合上、啓作は、昔から父親には敬語を使っていた。

「あそこに卵がありますよね。あの中から、チャオといわれる生物が産まれて来ます。チャオを口で説明するのは、難しいです。すみません坊ちゃま」

執事の田中が答える。

「どうして俺をここへ連れて来たんですか?」
「明日は、お前の誕生日だ。少し早いが、プレゼントだと思ってくれ」

父は、恥ずかしそうに言った。

「あ、ありがとうございます」
「では、田中。後は頼んだ」
「かしこまりました」

そう言うと父は、チャオガーデンをあとにした。

「坊ちゃま。今日はもう遅いですし、また明日来るとしませんか?他にも、案内したい所がありますので」
「えっ、あ、うん」

啓作には、状況…いや、状況もだが、実感が沸かなかった。
そのため、田中の判断に従うことになった。


啓作は、執事と共にチャオガーデンをあとにした。



ーーー続

このページについて
掲載号
週刊チャオ第330号
ページ番号
5 / 17
この作品について
タイトル
振り返れば、あの日と同じ坂道
作者
チャフカ(エキドゥナファン)
初回掲載
週刊チャオ第328号
最終掲載
2010年5月16日
連載期間
約1年10ヵ月19日