第4話
見ると目の前には、大きな滝とその奥に洞窟、なにやら木の実の成っている木が三本、そして一つの卵があった。
「啓作、ここはチャオガーデンという場所だ」
「チャオガーデンとは、何ですか?」
家柄の都合上、啓作は、昔から父親には敬語を使っていた。
「あそこに卵がありますよね。あの中から、チャオといわれる生物が産まれて来ます。チャオを口で説明するのは、難しいです。すみません坊ちゃま」
執事の田中が答える。
「どうして俺をここへ連れて来たんですか?」
「明日は、お前の誕生日だ。少し早いが、プレゼントだと思ってくれ」
父は、恥ずかしそうに言った。
「あ、ありがとうございます」
「では、田中。後は頼んだ」
「かしこまりました」
そう言うと父は、チャオガーデンをあとにした。
「坊ちゃま。今日はもう遅いですし、また明日来るとしませんか?他にも、案内したい所がありますので」
「えっ、あ、うん」
啓作には、状況…いや、状況もだが、実感が沸かなかった。
そのため、田中の判断に従うことになった。
啓作は、執事と共にチャオガーデンをあとにした。
ーーー続