2話 ~手合わせ~
「許さないっちゃ!」
チビッチャが怒りの形相を浮かべ突撃してくる。
宝剣は日光に当たり、輝きを見せつける。
「来たよ。」
「そのぐらい分かる。お前は引っ込んでろ。」
そういうと術を唱え始めた。
やはり、何をいっているのか分からない。
いや作者は設定していないのかも知れないがそこは伏せるべきだろう。
「降臨!ライトサーベル!」
唱え終わるとユ−ロの手に光った剣、
いや、光だけの剣といっても良いものが現れる。
「剣術もできるっちゃ?面白いっちゃ。」
ユーロは今の発言にツッコミを入れようとしたが、
後ろの最終兵器が恐いので控えた。
「甘く見ると怪我するぜ。」
「それはこっちの台詞だっちゃ。」
2匹とも剣を思いっきり降り下げる。
剣と剣とがぶつかり合い衝撃が大地を揺らしている。
「その剣、いい切れ味だな。この剣が削れるとは。」
やはり加速をつけたチビッチャの方がその分力が大きいのか、
ユーロは後ろに押される。
「どうしたっちゃ?押されているっちゃよ。」
チビッチャは不快な笑みを浮かべる。
するとユーロは後ろに引き剣を振り回しながら再度チビッチャに当たる。
「な、何のつもりっちゃ?」
しかし、ユーロはただひたすら剣を振り回す。
すると次第にチビッチャの勢いが弱まる。
「いくら加速はついていても左右から勢い良く乱打される攻撃は次第に勢いを弱める。」
「なるほど、バカじゃないっちゃ。」
チビッチャも後ろに下がる。
やがて剣が紫色に光り色を変えた。
「そろそろ準備運動もおわりっちゃ。」
日光が剣に当たり新たな輝きを放つ。
すると紫色が一気にこくなった。
「V7X!」
は?コ−ドネ−ムですか?とも言わんばかりない技名である。
チビッチャが叫ぶと頭から何か生えてくる。
「お前はサイボーグか?」
やがて全体が見えるようになると大きな角である。
あんなもので一突きされたらひとたまりもない。
「いや?奇怪生物か?」
角はさらに大きくなる。
ユ−ロも警戒したのか仁王立する。
「フフフ、恐いっちゃ?」
「…………」
チビッチャはプレッシャーをかけながらも角を大きくさせていく。
「ユーロ、大丈夫?」
チャロが声をかけるがユーロは何かぶつぶつ言っている。
近くに行かないと聞こえなさそうなくらい小さな声である。
「いくっちゃ!V7X発射!」
すると巨大な角は頭から外れ高速で向かってくる。
チャロは目をつぶった。もうやられてしまうのかと。
「降臨!ウインドレオォ!」
再度登場、白い獅子。
どうやらさっきのぶつぶつは召喚を唱えていたようだ。
降臨された瞬間雄叫びをあげる。
その雄叫びが風になり、角のスピードを弱める。
「そんな風じゃあ止められるはずないっちゃ。」
その通りである。いくら強風でも止められるはずがない。
風にも限界があるという事だ。
「弱めるだけでいいのさ。」
風を突き進みなおユーロに向けて飛んでくる。
若干スピードは落ちているようだが。
「このままでは避けられまい。僕の勝ちっちゃ。」
「避けられないなら……当てるのみ!」
すると光の剣をまっすぐ角に向ける。
角はそのまま剣にあたった。
チャロは再度目をつぶった。
「僕の勝ちっちゃ。」
「…よく見ろよ。まだ俺にはあたってないぜ?」
チャロが目をあける。
すると剣はまっすぐしたまま角をとめている。
しかも、角にはヒビが入っている。
「どんなものにも急所はあるもんさ。」
そう言い終えると剣を一振りする。
角は砕け散ってしまった。
「何?…だがもう一発やれば…。」
「させねぇ!ウインドレオ、GO!…殺すなよ。」
もう一発と構えるチビッチャにレオが襲い掛かる。
全身を押さえ付けてしまった。
「こ、降参っちゃ。」
そう言うと白旗をあげる。
するとレオが風に巻かれて消えていく。
「よくやったね、ユーロ。」
「ああ…疲れた。おいチビ、こっちこい。」
チビ=チビッチャは言うまでもないが、
チビッチャはまた御立腹である。
「教えろ。街の場所。」
チビッチャはコクリと頷き、運んでいた奴らを呼んだ。
乗せていたバッグに手をとり中を物色した。
その中から出てきたのは地図だった。
「地図はいい。お前がついてこい。」
「はぁ?何でそこ迄やらなくっちゃ…。」
ならないんだと言おうとしたのだろうが、
チャロがハンドガンに手をのばしたのに気付き止めた。
「はい…ついていきます。」
「よーし、決まりだな。お供もつけるか?」
運んでいた奴らはざわめく。
チビッチャは少し考えると言った。
「いや、お前らはいいぞ。僕も旅に同行するからな。」
そう言うと帰らせてしまった。
やはりチャオを担いでいただけのことはあり、走るのが早い。
「あなたもくるの?じゃあよかった。」
「パシリが増えたな。良かったじゃんチャロ。奴隷ができて。」
ユーロの頬に向かって超高速パンチが飛ぶ。
ざっと20mは飛んだかと思われる。
そこら中に紅の絵の具が飛び散った。
どうにか生きているがほぼ瀕死状態だろう
「後始末終了。行くわよ。」
「お、おぉ。」
続く