2-1

「・・・」

「・・・」

不安は的中した。
・・・腹が減った。のどが渇いた。
今どこを歩いてるかって?
知らないさ、そんなのは。
砂漠のような地形の場所だ。
ただ・・・何も出来ない。唯一動いてるのは無意識でもう感覚がない足、脳ぐらいだ。
あぁ・・・川が・・・見えてきた・・・
きっとあっちの世界に逝きかかっているのだろう。
さらば・・・この世よ・・・。

「・・・おい、カイト」

「さらば・・・この世よ・・・」

エースは一回俺の顔を見た。
そしてニヤリと笑うと駆け出した。
何があったのだろうか。
しかしよくこんな状況で走れるな・・・

「カイト!川だ!」

「あぁ・・・三途の・・・ってえぇ!?」

俺は信じられなかった、こんな所に川が流れているなんて。
どういうことだろうか?

「っておうぇえええええええええええ」

俺は水を吹き出した。
水、これはなんなんだろうか、天然のものではないらしい。

「これは・・・なんだ・・・?」

「やっぱり簡単に飲める水はみつからねぇか・・・」

エースは顔をしかめる。
ポヨが!になったり?になったりが繰り返されている。
何か考えているのか・・・?
やがてポヨの動きが収まる。
何かわかったのか!?
・・・そういう前にエースがこう切り出した。

「近くに町があるぞ」

「は?」

「バカイト、こんな場所に汚染された水が流れているってことはこの川の上流に人が住んでるってことだ」

そうか、コイツこういうときは頭がキレるんだよなぁ・・・
とりあえず俺達は上流に向かうことにした。
ただ・・・傾斜が急・・・

しばらく歩くとエースが言った。

「町だ!」

町だ・・・
ようやく・・・これで水が・・・食いモンが・・・
俺達は走った。

「うっ・・・」

それから記憶が無い・・・
ゆっくり目を開けていく・・・
見えるのは・・・天井?
・・・わかったぞ、読めた。
どうせ親切な人に助けられたというオチだろう。
どうだエース?
俺は上体を起こす。
見えたのは・・・

「よぉ、起きたかバカ」

コーヒーをすするエースだった。

「・・・おぉ・・・」

「流石にまだ元気がでないか・・・」

意味がわからない。
なんでコイツはこんなにマッタリしているんだ。
わからない、周りに人はいない。

「おい、エース、他の人は?」

「俺達だけだ」

「は?」

「お前が寝ている間、町・・・村?を調べてきた、他には誰もいないみたいだ・・・でも食糧や水は大量にある・・・」

何故他に人がいないんだ?
集団でもっと食糧が集められる場所に移ったのか?
・・・いや、違う、この村には何か秘密がある筈だ。

「エース、準備しろ、あとそのコーヒー少しよこせ」

「なんだよ・・・せっかくのくつろげる時間をお前は・・・」

俺はエースのコーヒーを少し飲んでから出た。
エースは俺の少し後に焦って出てきたようだ。

俺達はこの町の看板らしきものを見つけた。
・・・そこに書かれていたのは衝撃の事実だった。

「ようこそ、チャオの町へ、ここにはチャオしかいません、澄んだ湖もあります、どうぞ楽しんで・・・ねぇ」

「エース、こりゃあ例のアレかもな」

「そうだな」

ここがチャオの町だとしたら全ての説明がつく。
この町全員のチャオが凍った。そして・・・

「砕け散った」

「しかし・・・湖はある・・・という事は全てのチャオがいなくなったのは最近の出来事ってわけか・・・」

「・・・でもどうしてそんな事に・・・」

どうしてそんな事に・・・何故集団で凍ったんだ?
俺はふと湖に目を向けた。
すると何かが光る感じがした。

「・・・なんだ?」

俺は湖に手をやってみた。
!!

「どうした、カイト」

何だこの湖・・・
今はそんな寒くねぇ筈なのに・・・

「凍ってる・・・」

「なんだと!?」

そこでエースも湖に触れてみた。
そして驚いた。
そう、これは表面だけが凍ってる訳ではない。
湖全体が・・・凍っている

「湖がこんなになるとは・・・」

「でも・・・これもきっと・・・GUNの本部に行けばわかることだ」

「・・・あぁ」

しかし、俺達はここであまりにも衝撃的なものを見てしまうことになる。
これ以降トラウマになってしまう様なとんでもない事。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第307号
ページ番号
2 / 6
この作品について
タイトル
freezing world
作者
DX(DXチャオ)
初回掲載
週刊チャオ第306号
最終掲載
週刊チャオ第313号
連載期間
約1ヵ月19日