<5> つづき。

「ふん─やっぱり、倉庫荒らしはお前だったか」
「─隣の部屋の後輩には口封じしといたんだけどなぁ─無駄だったね」

そういってTrackはFliaの逃げていったと思われる方向へ、目を向けた。
ここよりもっと暗い、光の入らない路地のほうを。

「─もうそろそろ行かないとね─」
「すぐに追いかけりゃ、Fliaにも追いついただろうよ─俺にかまってる場合じゃなかったんじゃねーの?」
「別にいいさ。すぐに追いかけちゃ、すぐに追いついちゃう─彼女とハンデ無しで鬼ごっこなんかしても、楽しくないよ─あーあ、あれほんとにチャクロンの孫娘なのかなぁ?」
「─お前、どこまでFliaを馬鹿にする気か─!」

それと同時に、Trackはその路地へ駆け出した。
俺も、ぴったり後を追う。

何のためかも良く分からないまま、力任せに、感情任せに─

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掲載号
週刊チャオ第166号
ページ番号
8 / 47
この作品について
タイトル
Final dash
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ第162号
最終掲載
週刊チャオ第270号
連載期間
約2年27日