~恐怖の遠足の巻~ 2
その頃、ヒーローガーデン…
「いたいた、おーい!エルノォ!こっちだ!」
「皆さん来ていたんですか?フォスさんは置いてきましたね。上出来です。」
3匹は合流すると食事やら何やらの準備をした。
いつもと違って優雅な時間を過ごしていた。が…
「!?…あの走ってくるのってフォスさんじゃありませんか?」
「どれ?あ…悪夢の到来ですね。皆さん頑張って生き延びて下さいね。」
案の定、影の主はフォスだった。少し疲れているようだがいつもの元気は欠けていない。
その場の皆はため息をつくと何ごとも無かったような顔で話そうとする。
「お、遅かったじゃ無いですか。どうしたんですか?」
「諸君!遠足という超重要イベントに何故私を呼ばない?私がいないと遠足など始まるはずもあるまい。」
「始まるのは楽しい遠足じゃ無いぞ。同時に悪夢を呼ぶ最悪の遠足だな。」
みんなは心の中で大きく頷いた。富士山を裕に越えてしまうほど大きく頷いた。
エルノは開き直ると正直にフォスがいることで悪くなるいうことを話した。
「あのですね、正直あなたがいることにより非常に残念な遠足を思い出に刻む事になります。」
「私を悪者扱いするでは無い。私は今まで人に迷惑をかけた事は無いぞ?」
「人には無いかも知れませんが僕達はチャオです。今まであなたのせいで何回ひどい目にあい、何回謝り、何回悩んできたか…。」
はっきり言いすぎのようなきはするがまぁノンフィクションの話であるから仕方が無い。
今までにエルノ達を悩ますような事をした回数は計り知れない。
おそらくハンドレットは裕に越えているだろう。
「そうだったか…、エルノ君、すまなかった。今度からは心を改めるとしよう。」
「よかったな、エルノ。やっと報われる日がきて。」
「そう簡単にフォス君が大人しくなると思いますか?永遠に彼の心は変わらないとは思いますが。」
まぁ面白く無ければ小説も面白くなくなっちゃうからね♪
フォスはオモチャオを持ってくると強制配置した。
「それでは…遠足をいいものにするために恒例のチャオ空手対決を行おうと思う。」
「また始まりましたね。これに困っている事を早く気付いてほしいですわ。」
「無駄でしょ…彼の知能は通常の範囲を越え、ある意味天才ですから。」
フォスは畳や背景なども無理矢理取ってきた。
強制的にヒーローガーデンに設置させると片っ端からチャオを引きずり入れようとした。
「嫌だちゃお~、死にたくないちゃお~。」
「何を言う。君はこの私に選ばれし者なんだぞ?名誉な事じゃ無いか。」
「どんな名誉だよ…。おいフォス、子どもまで巻込むのはやめろ。」
子どものチャオは放されると一目散に逃げていった。
結局みんなに逃げられ残ったティル、レノン、エルノ、その他捕獲されたチャオ数名となった。
「何で俺まで…早く終わらせようぜ。」
「そうですね。早く終わらせないと最悪、ガーデンが消えてなくなりますから。」
「僕がフォス君に催眠薬でも飲ませておくんで適当に相手にしててください。」
エルノは瓶に入ってる謎の物体を取り出した。
決して麻ではありませんので御注意を…
「君たち!何をしている。早く入りたまえ。」
「よーし久しぶりだな空手なんて。やる気出るぜ。」
「ティムさん?まさかこの私に対して暴力を振るうのですか?男の風上にもおけませんわ。」
と、言うことで空手開始w
始まったもののチャオなので特別誰がやっても変わりが無い。
フォスは物足りなさを感じたのかガーデンを出ていってしまった。
「ん?何処行くんだ?飽きたのか?」
「黙ってなさい。フォスさんがいなくなる2度と無いチャンスですわよ?」
「彼奴が簡単に飽きるわけねぇか…。やべぇな、絶対何か考えてるぜ。」
案の定、何か新しい畳みを持ってきた。大きさ的に畳みというよりリングである。ボクシングのね、ステージに落ちてるようなショボいリングじゃなくて。
どうやって持ってきたのかは知らないが、ヒーローガーデンの入り口を粉々にしてしまう程大きなもので運んできてる。どう考えてもクレーンで運んでいる。
「諸君!白熱させた試合を見せるために私はこのリングを持ってきた。ここで空手をしてもらいたい。」
「最低限打撲かねんざ、骨折は覚悟すべきですわ。あのフォスさんの考えることですから我々の思うようなあまッちょろい世界じゃ無いかと思われます。」
「よし、やってやろうじゃン!」
ティルは何も知らず飛び込んでしまった。普通は飛び込まず逃げて訴えたり取りあえずは回避を望むべきであるがティルもバカだったのか、やる気満々で飛び込んでしまった。
ここからは音声だけでお楽しみ(?)ください。
ギュイィィィン…ぎゃぁぁぁ!
バキボコポキ…骨がぁっ止めろぉ!
ザクザクザク…死ぬゥゥっ…
「どうやら中では空手では無く拷問が繰り広げられているようですね。」
「エルノさん、戻ってきましたか。催眠薬はどうですか?」
「飲ませましたよ。ほらそろそろ利き目が効く頃でしょう。」