~恐怖の遠足の巻~
平和なチャオガーデン……
少しくらい事件が起こってもいいくらい平和である。
これはそんな毎日を過ごす4人のチャオのお話…。
「やぁやぁ諸君!今日も快晴、景色は最高だぞ。」
彼の名はフォス、ひねりの無い名前だがとりあえず主人公らしい。
「朝からうるさいな…もっと寝かせろよ。」
反感を持ったこのチャオはティム、またしてもひねりを感じることのできない名前である。
どうやら就寝TIMEだったようで御機嫌55°である。
「もっと静かに寝る事は出来なくて?」
上品な言葉遣いで反発しているのは彼女、レノンだ。相変わらず意味の無い名前をつけている。
彼女も就寝中だったようで偉く御立腹である。
「全くです。フォスさんは迷惑のめの字も御存知ないようですね。」
ため息をつきながら話してるのはエルノである。もう飽きるかも知れないがひね(以下略
彼は眠たそうな目を擦ってフォスの態度に呆れている。
「何かな?エルノ君、私が何をしたのだ?」
「非常に愚かな事をしています。今何時だと思ってるんですか?朝の3時ですよ?3時。」
時計を押し付けて太い針の先の部分を指差す。
フォスは狼狽えず私情でしか無い理由を語る。
「何を言うか、エルノ君。早起きは3文、いや20文の得だぞ。」
「あのですね、あなたは20文でも僕達から見れば一文の得にもなりませんしマイナスの要素になるわけでもあるんです。そういう事ですから僕達の安らかな時間を邪魔しないで下さい。」
そう言うとまた布団に入り眠ってしまった。
フィルは何故か呆れている。
「何も分って無いな…、でも眠…い。」
すると自爆、いやその場で寝てしまった。
朝が明けるというのかはかなり謎だが朝」の7時になった。
ティムの目覚ましが鳴るとティムとレノンがぱっと起きた。
「ふぁぁぁ…やっぱり朝はこう起きなくちゃ。」
「起きた実感がしませんものね。とくにフォスさんには困ったものですわね。」
肝心のフォスは今だ眠っている。
エルノの姿は無くどうやら出かけているようだ。ふとレノンは思った。
「今日は遠足の日ではありませんでしたか?」
「そうだったな。いい大人チャオが遠足とは随分と幼稚な大人だがな。」
そう、今日はガーデンのみんなで遠足を予定していた。
遠足とは言ってもヒーローガーデンにお邪魔するだけなので散歩レベルなのだが…。
「エルノは先に言ったのか…。俺達もいこうぜ。」
「そうですね。いきましょうか。ところで…。」
2匹はまるで死体のように仰向けで寝ている悪魔を見た。
言うまでも無いがフォスのことである。
「彼は起こさない方がいいかと。何かと厄介ですし身の保証もできませんから。」
「そ、そうだな。止めておこう。今までこいつのせいで色んな悪夢を見てきたからな。」
2匹はそぉっと準備をすると忍び足でガーデンを出た。
それから3分後、悪魔のお目ざめである。フォスは周りの皆がいないことに気付いた。
「みんな、私一匹おいてどこへいったのやら。」
周りを見渡しても誰も見えないので仕方なくガーデンを出た。