その18 すべては小さな遠足
「やったちゃお!十万リングを持ってきたちゃお」
「おお!完璧じゃないかカラアゲ。」
コロニーの砲身付近で喜びの踊りを踊りだす二人。
しかし、少年が突如きりっとした顔に変わります。
「しかし、これをどうやってソニックたちのところへ持っていくかが問題だ。
僕らはカオスコントロールが使えなくなっちゃったし。
エッグマンたちは手が離せないって言うし・・・・・」
「…確かに。ソニック達に直接取りに来てもらったらどうちゃお?」
「難しいだろう。彼らも戦闘中だし、カオスコントロール使えないみたいだし」
「あれ?ソニックたち、カオスコントロールできなかったちゃおか?」
「シャドウはいいんだが、ソニックはやっぱり、手元にカオスエメラルドが必要なんだそうだ。」
「ほかに暇なヤツといえば・・・ロッカク?」
・・・・・
「おーいおーい」
ロッカクは羽の裏で、けたたましく鳴る機械を見つけます。
「なんちゃおかー?」
とりあえず、返事。
「あのな、ロッカク。こっちに十万リングがある。
取りに来て、ソニックたちに渡してくれないか?
方法は任せる。後は頼んだ。あなたの遠足フレンド、少年より。」
最後に耳が腐るようなせりふを言って、通信は切れました。
あたまをぶるんぶるん振って、せりふを記憶から消そうとするロッカク。
・・・・・
しかしまあ、一体どうやって、宇宙にいるソニックたちに、リングを届ければいいのでしょう?
そのとき、ロッカクの目に入ったのは、祭壇に転がった、七つのカオスエメラルド。
そういえばシャドウもソニックも、「カオスコントロールっ!!」なんて叫んでワープして、しかも結構かっこよかったではありませんか。
ロッカクのまるっちい手が、カオスエメラルドにかぶさります。
「・・・・・ロッカクにも・・・できるちゃおか?」
目を閉じ、強く念じるロッカク。
「カオス・・・コントローーーーーーーール!!!」
ロッカクに受け取ったリングとカオスエメラルドを得て、ソニックはパワー全快!!
いよいよ弱ってきたプロトタイプを目の前にして、シャドウと手を組みます。
「シャドウ!お前のパワーがだんだん弱ってきている!大丈夫か!?」
「クッ…!どうやら僕の体にこのスーパー化は無理があったようだ…
ソニック… 僕の体はそろそろ限界だ…急げ!」
「シャドウ… 分かった。もう誰もオマエを止めはしない。
とっととこのバケモノを倒して みんなの待つあの星へ帰ろう!」
そのときどこからともなく、マリアの声が聞こえてきます。
「お願い…シャドウ…」
「マリア!」
「…みんなの願いを、叶えてあげて」
「今だ! シャドウ!!」
コロニーはいまや地球のすぐそばへと迫ってきています。
手を前にかざす二人。
「これで終わりだ!
カオス!! コントロールッ!!」
二人の目の前に巨大な光の玉が現れたかと思うと、それはコロニーを一瞬にして包み込み、そして、消えました。
正常な位置に再び現れるコロニー。
眼下に広がる、救われた地球―――
「マリア… これで、いいんだろ?」
そして…スーパー状態を続けたシャドウは、カオスコントロールで皆の元へ戻る体力は無く、
地上へと落ちていきました…