その16 説得とシリーズの定番
コロニー地上激突まで残り・・・ 19分50秒
「もう! いっつもアタシだけのけ者なんだからっ」
こちらはエミー。
一人置いてきぼりにされ、研究所の横でいじけております。
そんな彼女、研究所にどこからともなく現れたシャドウを見つけました。
「あれは・・・シャドウ
ダメよエミー!みんなだってがんばってる! あたしもなにかやらなきゃ!」
そうつぶやき、シャドウのほうへ駆けていくエミー。
「お願いがあるのシャドウ!みんなを助けてあげて!!」
一方のシャドウは、腕を組んで地球を眺めたまま
「これは全て僕が望んでやったことだ。お前達を助ける理由などない。
助ける意味も」
「意味ならあるよ!
たしかにあそこでは毎日争いごとが絶えないし、
あのおじいさんが言ってた通り、わがままで、自分勝手でバカな人間ばかりかもしんない!!
でも、みんなあそこで生きてんだよ!?
一生懸命生きてがんばってる!
いつかみんなで、もっとしあわせになろうってがんばってる!!
それだけでも、あの星の未来を信じる意味があるわよ! だからお願い!」
首を傾けるシャドウ。
「あの星に住む全ての人達にチャンスを与えてあげて!
その可能性をうばわないで!」
そのときシャドウの脳裏に、またもやアークでの思い出が再現されます。
以前も見た、GUNが攻めてきたときのこと。
マリアが地上に、自分を入れたカプセルを発射しようとする場面――
「・・・・・お願いよシャドウ
私のかわりに・・・いつかかならず・・・」
「マリア!!」
カプセルに閉じ込められたシャドウは、必死でカプセルの壁を叩きます。
「あの星に住むすべての人達に・・・幸せになるチャンスを与えてあげて
みんなの願いを、叶えてあげて
シャドウならそれが出来るきっと・・・
あなたはそのために生まれたの・・・
アディオス・・・
シャドウ・ザ・ヘッジホッグ・・・」
・・・・・・
「そうだ・・・マリアが
彼女が本当に望んでいたもの・・・」
シャドウの目が、一瞬きらりと光ったように見えます。
「シャドウ?」
そんなシャドウの顔を覗き込むエミー。
シャドウは地球に背を向けると、研究所の扉に向かって走り始めました。
「行こう!彼女と、君の願いを叶えるために!」
コロニーの最深部へとまっすぐに突き進んでいたソニックとナックルズ、ロッカクは、
ようやく、カオスエメラルドに追いつきました。
「これは! マスターエメラルドの神殿そのまんまじゃないか!」
ナックルズが見上げるのは、祭壇の上に設置された、マスターエメラルドの神殿の複製です。
その周りにはカオスエメラルドが浮いています。
「おそらく、カオスエメラルドの力を引き出すために、マネて作ったんだろ」
ソニックが的確な意見を述べ、祭壇に向かおうとしたそのとき!
「ギャアアアアアアアア!!」
突然目の前が激しい閃光に覆われ、気がつくとそこには
恐竜のような姿をした生命体が!!
「こいつはまさか、封印されたはずの究極生命体プロトタイプ!?」
そのときソニックたちのうしろから、現れるシャドウ。
「ここは僕が引き受けよう」
「シャドウ・・・お前!!」
驚くソニック。
「僕が奴を引き付けてる間にカオスエメラルドに走れっ!!」
プロトタイプをシャドウに任せ、無言で祭壇への階段を上るソニナコロッカク。
神殿の中央にたどり着くと、マスターエメラルドを置き、ナックルズが神妙に唱え始めます。
「お、行うもの其は七つの混沌
混沌は力、力は心によりて力たり
抑えるもの其は混沌を統べるもの!
頼むマスターエメラルド!
カオスエメラルドを止めてくれ!!」
「ギィヤアアアアアアアア・・・!!
ギィヤアアアアアアアア・・・!!」
マスターエメラルドから強い電磁が放出された瞬間、あたりが激しい光に包まれました。
そして、消えるプロトタイプ。
「カオスコントロールか!」
神殿に飛び込んできたシャドウ。
そのときまた、コロニーの振動が激しくなります。
「カオスエメラルドの暴走がとまれば
コロニーの落下も停止するんじゃなかったのか!?」
ロッカクの羽の裏からエッグマンの声が届きます。
「プロトタイプはまだ生きておる!奴がコロニーを動かしとるんじゃ!
奴はこのコロニーに寄生して、もろとも地上に突っ込むつもりじゃ!」
不思議に見詰め合っているソニックとシャドウ。
ナックルズとロッカクはきょとんとしています。
神殿の中央に立つと、目を閉じ、激しく念じ始める二人。
その二人の周りをカオスエメラルドが、高速で回転し始めました。
カオスエメラルドと二人の心がシンクロした瞬間!
二人の体が、黄金色に発光し始めます。
スーパーソニック、スーパーシャドウへ!!!