その15 続・遠足男の機知と最終決戦

少年が取り出したのは、なんと、カオスエメラルド。

「これは、さっきソニックから借りたニセモノだ。ニセモノでも、カオスコントロールはできるらしい。
 これを使ってカオスコントロールすれば、一気にシャドウのところまでいけるじゃないか!!」

「おおおおー。すごいちゃお!すごくすごいちゃお!!
 オマエ、カオスコントロールなんてできたちゃおか!?」

「初めてやるけど、たぶんできるだろう。」
少年はカオスエメラルドを手にかざします。

「いくぞ!
 ・・・・かおす・ことろーーーるっ!!!」
 ・・・・・あれ?」
少年の居場所は、さっきまでと、まるで変わっていません。

「少年よ。ことろーるじゃなくて、コントロールちゃお!」
「なるほど。ついまちがえてしまった。じゃあもう一度。
 ・・・カオス・コントロォーーーールッ!!!!!」

次の瞬間当たりは鋭い閃光に・・・
・・・つつまれず、少年の居場所も、まったく変わっていません。

「・・・・・どこがいけなかったんだ?」
「やっぱり、たかが少年には、無理があったちゃおね」
「そんな、ばかな!!!」

大げさにぐったりして見せる少年。

「こういうときには、やっぱり究極のチャオであるカラアゲに任せてみるちゃお!」
カラアゲはそう言いつつ、少年の手からカオスエメラルドを奪い取ります。
「いや、ちょっと待て。やっぱりもう一度試してみたい。返してくれ。」
少年はカラアゲの手からカオスエメラルドを取り返そうとしますが、うまく避けられてしまいます。

「いやちゃおー。ゴミ捨て場のゴミは拾ってもいいの法則を無視することは、民主主義に違反するちゃお!」
「いやちがう。一番民主的な勝ち負けの法則はやっぱりじゃんけんだ。じゃんけんでどっちが先にするか決めよう」
「とかいって、どうせオマエはパーを出し続けるつもりから、だめちゃお!」
「そこを何とか、頼む。一回だけ。」
指を一本立ててニカっとわらう少年。

「だめだめ。オマエの一回は、一般的に無限大といわれる回数ちゃお!」
「そんなことないよ。」
「あるちゃお!」
「ないって!」
「ある!」
「ない!」
「ある!」
「ない!」
「ええい、もう走ったほうが速いちゃおっ!!」

ダッシュでかけていく二人・・・・・






一方こちらは、キャノンの砲口へ続くトラックで、一人たたずむシャドウ。
「この気配は・・・?」

シャドウが後ろを振り向くと、そこにはダッシュで走ってきたカラアゲと少年が
「ああもう、ついちゃったじゃないか!もう少しで僕だってできるようになるところだったんだ。」
「その可能性は、皆無ちゃおね。」
傍若無人に言い争いをしておりました。

あえて目をそらそうとするシャドウを、カラアゲが呼び止めます。
「待つちゃお!」
背をそむけるシャドウに食いつくカラアゲ。

「キサマ、前にぼそぼそつぶやいてたちゃお!
 僕はなんのために生まれ何をすればいいのか・・・って。
 キサマ、復讐のために生まれてきたちゃおか!?」

「・・・前にも言ったはずだ。
 彼女の・・・マリアの願いをかなえる。僕にとっては、それがすべてだ。」

「それがたとえ作られた記憶で、マリアの願いをかなえるつもりが、
 あのジェラルドとか言うジジイの願いだったとしてもちゃおか!?」

「・・・そうだ。」

「・・・・・」

「・・・・・」


いつの間にか、疾風の如く走っていくシャドウを、少年とカラアゲはただただ見送るしかありませんでした。
そんな中、カラアゲが少年に話しかけます。

「ねぇ、シャドウはこうも言ってたちゃお。
 「プロフェッサーは、自分の研究をあそこに居る人間のためだと言っている。
  科学の力でみんなを幸せにするそれが自分の生きがいだ」って・・・」
「・・・・・」

「おかしなことがあるちゃお。
 オリジナル――もちろん封印される前のオリジナルを元に誕生したのがシャドウだとすると、
 それ以前から・・・プロフェッサーが復讐の計画を立てる前からシャドウを生み出していたことになるちゃお。
 だとするとどうして、シャドウが復讐にこだわるちゃお?
 ひょっとして本当に、マリアは復讐を願っていたちゃおか?
 それに・・・・・」


「・・・さあてね。それよかシャドウを追いかけないと。
 真相はそれからだ。いくぞ、カオス・コントローーールっ!!!!
 ・・・あれ?」

「ちょっと貸してみるちゃお。こうするちゃお。
 カオスコントローールっ!!
 ・・・あれれ?」

・・・・・・・・



このページについて
掲載号
週刊チャオ第237号
ページ番号
16 / 20
この作品について
タイトル
遠足大作戦
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第232号
最終掲載
週刊チャオ第238号
連載期間
約1ヵ月12日