その13 覚醒の日記と失敗できない作戦
こちらアーク研究所跡地。
つい先程からアークは、激しく振動を始めています。
ナックルズ、ルージュが戻って来てました。
突然の振動に驚くテイルスたちに、ルージュが告げます。
「もう終わりよ、アタシたち」
「ど、どういう意味ちゃお?」
驚くロッカク。
「今さっき連絡があったの。このコロニー、すごい勢いで地球に接近しているらしいわ。
たぶん・・・・・このままだと・・・・・激突するわよ」
しんとなる全員。
そのとき部屋の壁のコンピュータの画面に、白衣の老人の姿が映し出されました。
「なんだ?この映像」
映像の老人が喋り始めます。
「・・・・・コレハ全人類に対スル死刑宣告ダ。
私ノ計算ニ狂いガ無ケレバ、27分53秒後、アークは
地上ニ衝突シ、オ前達ハ世界モロトモ消エテナクナルダロウ・・・
七ツノかおすえめらるどガソロウ時
私ハコノ復讐計画ガスタートスルヨウニシテオイタ
ぷろぐらむハスデニ不可逆だ
私カラ全テヲウバッタ愚カシイ人間ドモヨ 私ト同じジ絶望ヲ味ワウガイイ」
「他に残すべきメッセージはあるか」
「アリマセン・・・」
「構え!!」
「ねえ・・・ なんなのコレ?誰なのこの人?」
不安そうに聞くエミー。
そのとき、研究所の扉が開き、エッグマンが現れます。
「Pr.ジェラルド・ロボトニック。
世紀の天才とうたわれた、ワシのジイさんじゃ。」
「何だと? やっぱりお前のせいか!
今すぐ止めろ! さもないと・・・」
「それが出来るくらいならとっくの昔にやっておるわっ!!」
そのとき研究所内に閃光が走り、ソニックが登場します。
「説明してくれ」
エッグマンに歩み寄るソニック。
(驚くロッカク、にんまり顔のカラアゲ)
エッグマンは小さな本を差し出します。
「ワシが手に入れた、ジイさんの日記じゃ」
受け取って、読み上げるルージュ。
「・・・分からないどうしてこんな事になってしまったのか?
究極の生物を生み出そうという考えが、やはり間違っていたのだろうか?
あの日コロニーに現れた軍隊・・・目的はおそらくプロジェクトの抹消だ・・・
所の仲間達、愛しい孫娘マリア どうか無事でいてくれ」
・・・プロトタイプを封印するためか、コロニー全域が封鎖された
アークの閉鎖は表向き事故として発表されたようだ
・・・事故の犠牲者の中に
マリアの名前を見つける
私は全てを失ってしまった
もう何もナイなにも考えラれナい
復讐以外の何も!!
おソろシい!!
一体私ハ、何ヲ考エテいルのカ!?
誰か、私を止メてク・レ・・・・・おりじなるのでーたヲモトニ 遂ニ『しゃどう』ヲ完成サセタ
記憶のこんとろーるモ完ペキダ
全テヲ『しゃどう』ニ託ス
後世に望ム者アラバ、アレヲ目覚めサセヨ
世界ニ・・・
「世界に、絶望を望むなら・・・
それで、あの基地からシャドウを・・・」
コンピュータをつついていたエッグマンが顔を上げます。
「暴走するカオスエメラルドのエネルギーを得て、エクリプス・キャノンのコアは巨大な爆弾のようになっておる!
ジイさんの言う通り このままコロニーがぶつかったら、地上はチリ一つのこらんぞ!
あのマッドサイエンティストめ!!!」
「そりゃアンタのことでしょ」
「コロニーを止めないと、ロッカク、死んじゃうちゃお~?」
「さっさとコロニーを止めるちゃお!」
「おそらくコロニーの推進力もカオスエメラルドの力によるものじゃ。
まずはその暴走を阻止せねばならん!」
「でも、どうやって!? 」
「ううん、たった一つ方法があるわ。あんたの宝石よ!
あんたあの時言ってた マスターエメラルドには
カオスエメラルドの暴走をおさえる役目があるって!」
ナックルズがマスターエメラルドを取り出します。
「確かにコイツを使えば、この暴走を止められるかもしれない!」
「カオスエメラルドの反応はコロニー最深部に移動してる!
もう間に合わないよ!!」
そのときのエッグマンの目に、いつもと違う光が―――
「いや!
ワシら全員が力を合わせれば
最深部まで最短ルートをとおって行けるかもしれん!」
ディスプレイに映し出される最深部までのルート。
テイルス、エッグマン、ルージュ、ナックルズそれぞれが隔壁を破壊し、ソニックをカオスエメラルドまで送り届けるルート。
皆唖然としてエッグマンを見ています。
流れる空白の時間―――
「・・・ど、どうしたんじゃ?」
全員の反応の無さに、不安になったエッグマン。
「エッグマンがこんないいことするなんて、すごーくミスマッチちゃお!!」
カラアゲがずばり指摘します。
激しくうなずく全員。
頭を掻くエッグマン。
「その、ほら、それはあれじゃ。あーあの、なんと言うか、そのー・・・・・・・・ええい、もういい!」
ソニックを見やるエッグマン。
「任せとけって。走ることなら誰にも負けやしないさ!!」
「よし! 作戦スタートじゃ!!」