その11 経済的志向と忍び寄る影

エッグマンの発射予告時間まで残り・・・33分

アーク研究所跡地

自動ドアが開き、ソニックが現れました。
ニヤリと笑うエッグマン。
その横には、銃を突きつけられたエミー。

「ビジネスライクにいこうではないか、ソニック」

エッグマンはエミーの存在を強調します。
一方で、ソニックのそばに寄るテイルス。

「まずはキサマが持っているカオスエメラルドを渡してもらおう。
 この小娘の命が惜しいならな」

(・・・奴に本物と偽って渡せばこっちの手間もはぶけるってもんだぜ・・・)
ソニックはカオスエメラルドを見つめ、続いてテイルスを見上げます。
うなずくテイルス。

「そこにキサマのエメラルドを置いて、後ろに下がってもらおう」
エッグマンの示すのは、研究所中央の、白く円が描かれた場所。
エッグモービルにくっついたロッカクは、震えながらその様子を見ています。

「悪役が板について来たじゃないか、ドクター」
カオスエメラルドを軽く振ると、中央に立つソニック。
もちろん、このカオスエメラルドはニセモノ。

「フフフフフフ」
エッグマンはソニックが中央に立ったことを確認すると――

ガシャン!

「んなっ!?」
突然、上からカプセルに閉じ込められるソニック!

「そんなニセモノにダマされると思うてか!」

「そんな!!いつの間にニセモノだってわかったんだ!!」
「テイルスッ!!」
「フッ たった今キサマが教えてくれたわ!!」
「!!?」


「キサマもろとも宇宙に放り出して、爆破してくれるわ!!」

「後は頼んだぜ、テイルス、それからエミー
 ・・・元気でな」
カプセルの中からソニックの声が聞こえます

「さらばじゃ!ソニック・ザ・ヘッジホッグ!」
エッグマンがボタンを押すと、カプセルが床から抜け、地球へと落下していきます。

「ソニック・・・」
研究所のガラス窓からは、カプセルが空中で爆発する様子が、まじまじと見られます。

「さらばじゃ我が終生のライバルよ・・・」

「ソニックーッ!!! う、ううう・・・」

テイルスに向き直るエッグマン。
「残るはキサマじゃ。
 最後のカオスエメラルド、おとなしく渡すなら、見逃してやらんでもないぞ?」

「あのソニックが・・・」
「ああん?」
「あのソニックが初めてボクに頼むって言ってくれたんだ! だから絶対!
 絶対、逃げたりするもんかっ!!」


怒りに燃えるテイルス。
その機体の後部からミサイルをどばどばと発射させ、エッグマンを攻撃します。

しかしエッグマン、軽くジャンプでかわし、研究所の隅でうごめいている緑色の物体にホーミング弾。
ホーミング弾は緑色の液体に接触すると爆発し、周囲に火の手を上がらせます。

研究所の面先の半分ほどが、ゴーゴーと音を立てて燃え上がります。

サイクロンはその火の手からは、間一髪でよけていました。
続いてエッグマンに向かってバルカン砲の乱れ撃ち!!

エッグマンへ向かって飛ぶ、無数のバルカン砲。
さすがのエッグマンもこれは避けきれそうにありません。

しかし、ニヤリと笑う、エッグマン。エッグマンの持つリングの数を見ると、ぴったり60枚!!
「これで終わりじゃ! くらえ、パワーレーザー!!」

エッグモービル正面から極太のレーザー光線が放たれ、バルカン砲を飲み込んでいきます。
そしてそのままサイクロンをも飲み込むパワーレーザー。

照射が終わったときには既に、テイルスの機体は崩壊していました。
「ごめんよ、ソニック・・・・・」



しかーし!、これだけでは終わらないド根性野郎がいました。
その名は、カラアゲ!!

「よくもチャオのアイドルソニックを! 許せないちゃお!!」

カラアゲはトルネードから這い出すと、何も考えずにエッグマンに突撃!!
「ぬおっ!?」

テイルスを倒して安心しきっていたエッグマンは、意外な声を出します。
カラアゲはエッグモービルの足に頭突きを食らわしている・・・・つもりらしいのですが、まるで効果なし。

そこでエッグマンは、機体の奥で縮こまってるロッカクを引っ張り出して、ツンツンとつつきます。
「ほれロッカク、そこの白チャオ――カラアゲの相手をしてやってくれ」

カラアゲはエッグモービルの足を這い上がってきました。
エッグモービル上で起こるカラテ・バトル。

カラアゲがそこでロッカクにパンチを繰り出します。
ロッカクは転がってエッグマンの頭上にべちゃあと張り付くと、立ち上がって、ぐるぐるパンチ!
エッグモービルのふちにしがみついて耐えるカラアゲ。

「ちゃお~、ロッカク!エッグマンの味方なんかやめろちゃおー!!」
「そっちこそ、死んだソニックに協力する必要なんてないちゃお!!」
「うぬ−? このエッグマンのパシリめー!」
「なにお? さてはキサマ、ソニック信者!!」

闘いは壮絶さを増し、エッグマンをとことん踏み潰しております。
その様子を、唖然としてみているテイルス。

「えくりぷすキーック!!」
「ういんどパーンチ!!」
両者が必殺技を放とうとしたそのとき、

「このー!! もうお前ら、や、やめんかぁーー!!!!」
エッグマンの堪忍袋の緒が切れました。

エッグモービルから強引に降ろされる二人。
エッグマンはぷりぷり怒りながら、テイルスからカオスエメラルドをもぎ取ります。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第236号
ページ番号
12 / 20
この作品について
タイトル
遠足大作戦
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第232号
最終掲載
週刊チャオ第238号
連載期間
約1ヵ月12日