その8 複数のお邪魔虫と波乱の幕開け

13:04 砂漠地帯 ピラミッド周辺

「なーんでおまえたちがいるんだー?」
すくめた肩で、2匹のチャオに事情を聞くソニック。
その周りには、サイクロンに乗ったテイルス、ナックルズ、エミー、それに、なぜかあの少年までもが。

カラアゲが答えます。
「あのあとわけあって、エッグマンたちと宇宙に行ってたちゃお。
 地上に帰してもらう代わりに、ソニックと一緒に行動するよう、エッグマンに言われたちゃお」

ロッカクが話に割り込んできます。
「ちょっと、カラアゲ~。そこまで言っちゃっていいちゃおか?」
「いいちゃおいいちゃお、大丈夫ちゃお。
 どうせエッグマンの言うことなんか、聞かなかったことにすればいいちゃお」

「ちゃんと約束は守らないといけないちゃおよ?
 エッグマンにばれたら、どんなすごいメカ出されるか、わかんないちゃお~」
「はっはっは。そのときはソニックに頼るちゃお!ちなみに、どうして遠足の少年もここにいるちゃお?」

しゃしゃり出てくる少年。
「それは自分から説明しよう。
 テレビのニュースでエッグマンの世界征服予告を見た自分は、
 「次の遠足先は宇宙しかない!ソニックについていけば、宇宙までいけちゃうだろう!」
 と思って、もう一度テイルス、とソニックにお願いしたのさ」

「ふっふっふ。チャオはもうすでに宇宙を遠足して来たちゃおけどね」
「その程度ではあまいな。あくまで遠足は、楽しむもの。エッグマンに連れ去られたのとは違うね」
「ふっふっふ」
「ふっふっふ」
………


ソニックが二人の「ふっふっふ」に歯止めをかけます。

「で、あのピラミッドの中に?」
「ああ、エッグマンの奴が、入っていくのを確かに見たぜ。」

ナックルズは拳を構えます。
「それより、あのコウモリ女が、エッグマン達と一緒だったってのは 本当なんだろうな?」
「うん」これはエミー。

「きっと宇宙に出るための手段がなにかあるはずだ
 スペースコロニーだかなんだか知らないが、あのデカイ大砲ごと奴等をぶっ飛ばしてやる!」
「ああ!」

「ボク、入り口探してくるよ」
テイルスのサイクロンが、がしゃんがしゃんと音を立て、ピラミッドに向かっていきました。





「なーんか怪しいよな?」
「何がちゃお?」
ソニックの言葉に、ロッカクが反応します。

「エッグマンがやすやすと、おまえたちを逃がすなんて。
 あのメカオヤジのことだ。きっと何か裏があるに違いない」
「ロッカクの知る限りでは、わかんないちゃお…」
首をひねり、あくまで約束を重視するロッカク。

でも、
「チャオ達、エッグマンに何か怪しい機械をつけられたちゃお!
 えーと、うう~~んと、ひすてりー? とかって言ってたちゃお」
すぐにばらすのが、カラアゲの得意技です。

「ナッコーズ、ひすてりーって、何だか知ってるか?」
「なんじゃあ、そりゃ?」
「聞いたこともないわよねぇ…」
首をひねる三人。


そこに、テイルスが戻ってきます。
「基地の入り口は見つかったよ。行こう。」
「OK! Let's move it!」






そしてピラミッド最深部
ソニック、ナックルズ、テイルス達の力で、あっけなく侵入できてしまいました。
ついでに宇宙へ出る為に必要だったスペースシャトルも見つかり、一安心です。

しかし、往々にして、こういう場面にボスが現れるもの。

「このコソドロネズミども!
 生きてココを出られると思うなよ!」

扉から現れたのは、そう、ドクターエッグマン。
ソニックたちの動きを追跡しながら行き先を確認すると、あらかじめ戻ってきておいたのです。

「ソニック!!」
「なーに、軽く遊んでやるさ!」

エッグマンはソニックに、人差し指を突きつけます。
「今日こそはおまえの命とカオスエメラルド頂かせてもらう。
 いでい! 我がしもべよ!」

エッグマンが叫ぶと同時に、ピラミッドのそこのほうから、大きな物音が聞こえてきました。
見ればそれは、巨大な石像――いや、ロボットでした。
「さあ行け! ソニックをひねりつぶしてしまえ!」
巨体を振り上げ立ち上がる石像ロボ。

「んな!?
 …ちょっと手間がかかりそうだ。すまないが、先にシャトルのほうへ入っておいてくれ」

しかし一方で、エッグマンが手招きします。
「カラアゲ!ロッカク!アークに戻るぞ。さ、さ、こっちじゃ」


「うーん、どするちゃお?」
ソニックとエッグマンの呼びかけに、悩むロッカク。
「なにいってるちゃお!ソニックの言うとおりにするのが一番ちゃお!」
ロッカクをはねつけ、カラアゲはさっさとシャトルへ駆けて行きます。

まだまだ悩むロッカク。


ロッカクはしばらく考えた後―――

エッグマンの方へと走っていきました。







腕を振って攻撃する石像ロボ。
しかしソニックは、その腕をジャンプでひらりとかわすと
「デリャァアアアアアー!!」
壁を蹴って、石像ロボの頭部へ一撃!

ズゴーン!
軽く爆発が起きます。

石造ロボは狂ったかのように一回転すると、エッグマンをにらみつけました。
エッグマンにむかって振り下ろされる腕。

「さっきの衝撃で制御装置がイカれてしまったのか!?
 えぇーい! この役立たずめ!!」

ロッカクは、エッグマンについてきてしまったことを、ちょっぴり後悔したそうです。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第235号
ページ番号
9 / 20
この作品について
タイトル
遠足大作戦
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第232号
最終掲載
週刊チャオ第238号
連載期間
約1ヵ月12日