その4 改めて状況確認とよくある間違い

11:56 プリズンアイランド近海上空

テイルスの飛行機トルネードは順調な航空を続けています。

「この島にまちがいない・・・
 難攻不落の監獄施設を抱える軍事基地、通称、プリズンアイランドか・・・」

「うっひゃー、話には聞いてたけど、こんなに近くで見るのははじめてだー
 初めての体験。これこそ、遠足の醍醐味だ! さすがに自家用機を持っていると、行動範囲が違うなあ。
 僕もそのうち飛行機買おっかなあ。なやむなあ~」
それ、もはや旅ですがな。


大海原に、ぽつんと浮かぶ、列島。
よく見れば、そこには戦闘機やらロボットが収められているのが分ります。

「サテライトTVのニュースではあんなこと言ってたけど、
 あのソニックが軍の施設を壊したり、銀行強盗したりするわけがないんだ!」

「ソ、ソニック銀行強盗したちゃおか!?」
おどろくカラアゲ。

「まあ待て、テイルスの言うとおり、ソニックが銀行強盗するはずないだろう?
 多分誰かが見間違えたんだろう。きっとそうさ
 ・・・ああそうか。それでソニックはここに捕まってるってコトなのか。」

「それは大変ちゃお!
 ソニックは無実の罪を着せられて、大好きな音速走行もできないってことちゃおね!」

「まっててソニック!今ボクが助けてあげるからね!」
「だったらチャオも、ソニックを助けるちゃお!」
「よーし、3人でソニックを助けるぞ~」


「ん?」
「ん?」
「ちゃお?」

見れば、空母の端で、エッグマンがエミーに銃を向けています。

「あれは、エミー!!それに・・・エッグマン!?」
「エ、エ、エ・・・・・エミーちゃお!!?!!?」

「なんでここにエミーが?
 ううん!そんなことよりエミーを助けなきゃ!」

「エミーなら、自力で何とかなるだろうからほっとけばいいんじゃない?」
少年の余計な一言。

テイルスは少年の台詞を綺麗に無視すると、操作盤の中央についたボタンを押します。
「トルネード、モードチェンジ!!」

するとなんと驚くべきことに、ガシャンガシャンガシャングウウィウィウィーと
トルネードは変形し、二足歩行ロボサイクロンになりました。

機体下部の垂直ジェットエンジンでゆるやかに、
サイクロンはエッグマンに立ちはだかるよう着地しました。


「テイルス久しぶりー」
エミーがいつもの調子で声をかけます。

「エミーは下がってて!ついでにそこの2人も降りて!」
「ほいほい了解ー」
サイクロンは一人乗りですから、三人も乗っているとかなり狭かったのです。


サイクロンは一歩前に出ると、エッグマンにバルカン砲の砲口を向けました。

「ほっほっほほー。このわしに勝てると思うのかな?」
「負けないぞ!」

エッグマンとテイルスのバトルが始まります。


そんなとき。

「おいカラアゲ、向こうにソニックが見えないか?」
「ちゃお?ソニックにしては、ちょっと黒っぽくないちゃお?」
少年が見つけたのは、爆弾を設置しに行くシャドウだったのですが、この2人はそんなこと、知るはずもありません。

「あんなに速く走っていったやつが、ソニック以外にいると思うか?あれは間違いなく、ソニックだ!」
「ん~、でもどうしてエッグマンをやっつけようとせずに、向こうに走っていくちゃお?」
「それは・・・・・多分ここにエミーがいるからに違いない。きっとそうだ。」
「なるほど~、それは一理あるちゃおねえ。」

「そこでだ。ソニックを追いかけてみないか?」
「おお、いいアイディアちゃお!
 さてはそれも、遠足の一環ちゃおか?(ニヤリ)」

「そのとおりだよカラアゲ君(ニヤリ)
 さあ早速追ってみよう!」


戦闘中のテイルスの気付かぬうちに、少年とカラアゲはソニック、じゃなくて本当はシャドウを追いかけ走っていきました。

森へと・・・・・・・

このページについて
掲載号
週刊チャオ第234号
ページ番号
5 / 20
この作品について
タイトル
遠足大作戦
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第232号
最終掲載
週刊チャオ第238号
連載期間
約1ヵ月12日