エンドレス
続く、延々と続く。そう、その世界は地獄。
地獄に堕ちたチャオ。ギルはそこで黒ずくめのダーカと会う。
そして、なぞの魔石「エンドレス」をもらう。ギルはその後現代に戻ることが出来る。
しかし、そこで見た、人間の運命を知るとき、魔石「エンドレス」がどのような物であるかを知るのだった。そう、世界は一つの輪であることを証明する・・・そんな話。
『エンドレス』~一つが滅べば、一つは芽生える~
>today
ばきゅーんという乾いた音とともに、一人のチャオが倒れた。
彼の名はギル。有名なテロリストだった。
しかし、かれは人ではないチャオだった。
彼は黒い繭に包まれた。過去に悪いことをしたら、黒い繭に包まれる。そして、行き先は地獄となっているのだ。
>hell
「おぬしは大罪を犯したかな?」
閻魔が居る。彼は、なぜこんなチャオがここに来たのかが不思議でかなわないような、顔をしていた。
「人間達のテロリストとしてここに来ました」
ギルは冷静に答えた。彼は、悔いはなかった。自分たちが暴れているすきに、みんな遠くへ逃げたからだ。
チャオは最初はかわいがられていたが、地球が水不足におそわれたとき、水分補給として大量に殺された。
「・・・そうか。」
閻魔は一息入れた後、こういった。そして、付け加えて。
「ここから、朱雀の方向に黒ずくめの家がある。そこに行け」
といった。
ギルは、そこに向かった。周りにはいろいろな囚人が居る。しかしみんな人間だ。なぜだろう・・・。
そう思いながら、家に着いた。こんこんとドアを叩く。
「へいへい。だれですかい?」
そうして出てきたのが、黒ずくめのダークカオス。
「え~、閻魔さんにここに行けと・・・」
「そうか。なら、中に入れ。」
といって、中に入れてくれた。
「おまえは・・・これを持っていけ。」
一通り、話を聞いたダーカは、黒光りしている不思議な石をくれた。
「こいつは「エンドレス」。魔石だ。」
そして、何も言わずに、紙切れをくれて、
「それじゃ。もうおまえと会うことはないから。」
といって、追い出されるようにギルは歩き出した。
>today
自分は現代に戻ってきた。
あのとき、くれた紙切れは地獄列車の切符だったらしい。
「よ、久しぶりだな。」
チャオが話しかけてきた。
「おまえは・・・ダイ。というか俺見てびっくりしないのか?」
いった瞬間はっとした。ここは、列車のプラットホーム。ということは、ダイも死んだのか?
「そうだな。ま、町へ行くか。」
「え?大丈夫なのか?」
「ああ、俺たちは透明だから。」
ということは、みんなこうなのか・・・
というか、そこら中に透明チャオが居る。みんな・・・死んだのか?
>modern town
さっきから、気になっていることがある。それは、後ろから透明なチャオがぞろぞろぞろぞろとついてくる。そして、ダイが旗を揚げるとそこには「現代観光ツアー」と書いてある。
「おいおい。その、幽霊列車のような表現やめろ」
「まあまあ、こんな機会は二度とないし。」
・・・まあ良いか。
そういって、ホテルに着いた。そこは、高級ホテルだった。
「こういうところが、すでに、幽霊ホテルなんだな。」
「じゃ、俺たちも幽霊・・・」
「違う。俺たちは生き返ったんだよ!」
だいいち、ここはチャオ用のホテル。そして、この町はマイロイだ。ゆういつ、チャオを助けてくれる団体が居る。
・・・助けてくれるのは、野良猫たちだが。
「あ、240匹で」
チェックをする。フロントはびっくりしていたが、無事なチャオ達に安心した、顔をしていた。
しかし、よく見てチャオ達はびっくりした。その顔は、なんと猫だったのである。しかも、人間の言葉をしゃべるのである。
・・・
「びっくりしたにゃ。私はさいごの虐殺を見ていて、てっきり滅んだかと、思ったにゃ。」
いや、滅んだんだけどね。で、生き返ったんだけど。
でも、どうして、俺だけでなく、チャオ全員が生き返ったのか。そして、どうして人間が居ないのか。おれは、猫に聞いた。
猫に聞いた話は、あまりにも突飛だった。