第四話 試合開始
~あらすじ~
シャドーは謎のチャオロードに連れて行かれ無理やり大会に参加させられた。その大会はチャオ同士が戦いあうものであった。そしてシャドーの一回戦の相手が決まった。
~本編~
シャドーとロードがロビーから立ち去ってから45分たった。すでに二人ともロビーに戻っていた。
「さて、そろそろ試合の時間だ。準備はできているか」
ロードが言う。
「もうそんな時間か。ところで選手達はどこに集まっているんだ?」
シャドーがロードに質問する。
「たしかロビーから会場にいける階段があったはず。あ!あそこだ」
ロードはロビーのはしにある警備員が立って見張っている階段を指差した。
「さあ、早く行くぞ!」
ロードはシャドーを引きずり階段に向かって走り出した。・・・・・・が、当然見張っていた警備員に止められた。
「何ですかあなた達は。ここの階段は選手の人達だけが降りるのを許可されているんです。関係のない人は近づかないでください」
「何をほざいている。こいつは選手としてエントリーしたはずだ!それにちゃんと証明書だって」
「これは失礼しました。どうぞお通りください」
「ウム、よろしい」
「ただしあなたはだめですよ。この階段は『選手だけ』しかだめです」
ロードは警備員に止められた。
「Noーーーーーーーーーーー」
ロードは叫んでいるが、
「(他人のふり他人のふりっと・・・)」シャドーは他人のふりをして階段を下りていった。
~コロシアム~
「さあ、いよいよ第57回日本独立記念大会が始まります。まずはAブロック第一試合シャドー選手対クルト選手。情報によりますとクルト選手は先月行われたチャオ生誕記念でベスト4にはいったらしいです。一方シャドー選手はまだ子供のようですが大丈夫なんでしょうか?おっと準備が整ったようです。ではシャドー選手とクルト選手の入場です」
観客席からわぁーとかきゃーとか声が響き渡っていた。そんな中、緊張しすぎて歩き方が明らかにおかしいシャドーと平然と歩いてくるクルトがコロシアムのちょうど中心あたりのところまで来た。そして審判らしきチャオが二人に話し掛ける。
「試合時間は無制限。勝敗はどちらかが気絶するか棄権するかのどちらか。わかりましたか?質問があるなら言って下さい・・・・・・・ないようなので今から試合を始めます。・・・レディー・・・ゴー!」
審判の合図とともに観客の声は一段と大きくなった。だが、シャドーとクルトは体をピクリとも動かしていなかった。そしてクルトがシャドーに話し掛けた。「僕とお前とではレベルが違う。ハンデだ『どこからでも』かかって来い」
「あとで言い訳しても・・・・・だめだぞ」
シャドーはただ一言そう言った。