第百二十一話 ビックブリッヂの死闘 前編
グラウス「えっ?」
グラウスが気付くと、武器を持ってきていなかった
その瞬間に心の中で核爆発の音が響いたのは間違いない
だが、グラウスは必死に状況を整理した
グラウス「(俺には光の力がある・・今から列車に戻ってすぐここに戻ってくるのは造作もないこと。だが・・一瞬でもそうすれば逃げるということになる。逃げるというのは男のプライドにかかわる!だから・・素手で戦うしかねえ!)」
ドウル「なにボヤっとしてんだ?いくぞオラ!」
ドウルは早速足で踏みつけようとしてきた
だがグラウスは避けた
グラウス「いっくぜ~メカ脳!」
ドウル「そう呼ぶのはやめろ!」
グラウスは拳を強く突き出した
すると、機体のあちこちがへこんだ
ドウル「何っ!?鉄をへこませただと!!」
グラウス「俺の力は光だ・・実際に光の速度で動ける。お前の攻撃なんて当たりもしないし、一秒に何百発のパンチを浴びせることだってできる!」
ドウル「なるほど・・だからあちこちがな。しかし、ろくに拳で戦った経験があまりないお前が鉄をへこませるほどのパンチを何発も打てばお前の拳はどうなるんだろうな?」
グラウス「くそっ・・気付かれたか・・!」
グラウスの手には血がついている
剣に頼ってきていたため、きつい戦いになるだろう
ドウル「俺の攻撃があたらないって?同じ光の速度で動くものならどうかな!」
ドウルは機体の翼からレーザーを何発も発射した
複数がグラウスに当たった。当たった箇所は焦げている
グラウス「あ・・あぢい!!あぢいいいい!!!」
ドウル「それそれまだいくぜ!ホーミングミサイル発射!」
さらにドウルは機体の背中からミサイルを数発発射した
グラウスはできるかぎり抵抗したがレーザーのダメージのせいか2、3発被弾した
グラウス「が・・・・・あ・・が・・」
ドウル「どうした?もうギブアップか?」
グラウス「何だって?最弱のお前にギブアップなんてするかよ!」
ドウル「口でなく行動で示せよ雑魚が!」
ドウルは踏みつけの攻撃に出た
足がグラウスに向かって襲いかかる。グラウスはギリギリでかわすが
さらに足を振り下ろしてきた
グラウス「(くそっ・・・なんつー猛襲だ・・!)」
ドウル「さっきより動きが鈍いぞ?どうしたほらほら!」
さらにドウルはレーザーも撃ってきた
グラウス「うおっ!!」
グラウスはさらに回避を続けるが、限界がきたようでレーザーを同時に喰らった
ドウル「さぁ死ね!」
機体の足がグラウスの目の前にまできた
グラウスはパンチを足の裏に放った
それだけで機体は大きく吹っ飛んだ
ドウル「何だと!?何トンもある機体をパンチ一発で・・!」
グラウス「一発じゃねぇさ。何千発だ。」
ドウル「!!」
グラウス「一定の衝撃を暴発する暇なく打ち込み続けることでエネルギーが蓄積していく。そこに強いショックをぶち込むことで一気に暴発する。この原理が賢いお前に理解できないわけがないな?」
ドウル「そうか・・・!!(この世界の空想の論説です。)」
グラウス「ああ・・・そうだ!」
ドウル「だが・・さっき言ったようにお前の手にはダメージが及ぶというリスクがあるな?それを連発できるわけでもあるまい」
グラウス「それもそうだな!」
ドウル「だが、俺が無傷で勝つ方法もあるんだぜ?」
グラウス「んだと?」
ドウルは羽を使って、上空に飛んだ
グラウス「なるほどねぇ・・」
ドウル「さぁ喰らえ!百発ミサイル!!」
一斉にミサイルがグラウスに向かって飛んでいく。
だがグラウスは全て回避した
ドウル「中々だな・・だが・・・・・えっ?」
ドウルが気付いたころにはグラウスはコックピットの目の前にいた
グラウス「アホだろお前。エネルギーの蓄積を利用すれば、空高く飛ぶことはできるんだよ」
ドウル「・・地面にエネルギーを蓄積させ、暴発させたのか!?」
グラウス「さぁこのコックピットぶち破ってやるからな・・覚悟しろ!」
グラウスは一発のパンチをぶち込んだ。だが痺れて落ちてしまい、ビックブリッヂに叩きつけられた
ドウル「そういやいい忘れていたが、このガラスは特殊なガラスでな。電気を通すのさ。毎秒二百万ボルト流れているんだぜ!」
グラウス「べ・・便利なコックピットだな・・ちきしょう!」
ドウル「空中戦が意味がないとくりゃあ、地上に降りて一気に畳み掛けるしかねぇようだな!!」
ドウルは降りてくるとともに足を振り下ろしてきた
すごい衝撃が辺りに広がるが、それでもグラウスは突っ込み攻撃を繰り出す
だが、さっきの痺れが効いたのか攻撃が弱くなっていた
ドウルはさらに攻撃をしかけ、グラウスはだんだんとヤバい状況になってきた
続く