第九十四話 究極神
くそっ、ザノクとチャカは生きていやがった・・
あれほどの魔力を使ったのに、いきているとは・・
情けない、自分が情けない・・しかし、力がでない・・
「本当にお前は情けないな、暴風のエアー・・」
えっ?お前は誰だ?
「・・私の名前は究極神ヴァルデースだ。」
は・・?神・・・?
「なにが『は・・?』だ。お前が情けないから力を貸してやろうと思ったのに・・」
ち、力をかす・・?
「そうだ。力だ。お前の暴風の力を開放させてやるといっているんだ」
・・暴風の力を解放・・
「ザノクとチャカが憎いだろう。だったら暴風の力で蹴散らしてしまえ・・!!」
・・・・。
「今から暴風の力を解放して殺してしまえ・・!!クハハハ・・クハハハハハ!!」
ヴァルデースの笑い声がきこえてきたときには意識は完全になかった
ラルヴァと同じパターンで体の中になにかが入っていくのがエアーには分かった
一方ザノクは・・
ザノク「うわっ、なんだこれ!?」
チャカ「変なのがはいっていったの~!!」
ザノクとチャカからみた視点では、黒いなにかが入っていくのを間近でみていた
エアー「・・近づくな。」
エアーが倒れながらそうつぶやいたときになんらかの衝撃でザノクとチャカは少しふっとんだ
ザノク「む・・・!?この力は・・・・!!!」
チャカ「なんなの~!?なにがなんなの~!?」
エアーが立ち上がったときに、風のような緑色のオーラがエアーの周りを漂い始めた
エアー「・・暴風・・!!」
ザノク「な・・・なっ!?」
エアー「トルネード・ブルーム・ソード!!」
エアーがそう叫んだときに剣にそって竜巻がでてきて剣を包み込んだ
チャカ「あ・・・あれは・・・」
チャカが後ずさりしようとしたとき、エアーはスーパーソニック並みの速さで(ぇ)近づいてきてチャカを高速で斬りつけた
ただでさえ剣豪とのバトルで重症だった腹にさらに深い傷がついた
チャカ「・・・うぐぅ・・・」
チャカはうなりながらそのまま倒れた
ザノク「ああっ、チャカが・・・!!」
エアー「・・・今日こそケリをつけるぞ、ザノク・・・!!」
ザノク「・・そうするしかなさそうだな・・・!!」
エアーは風を体中にまとい高速でザノクに向かって走っていった
ザノク「・・お前はどうかしたのかエアー!?」
エアー「俺はどうもなっちゃぁいない・・・」
エアーが剣を思いっきり振ったが、ザノクはすばやく横に飛びのき回避した
エアー「・・今日こそ死ぬんだザノク・・・」
ザノク「・・拒否する。」
エアー「だったら力づくでも・・・」
エアーは剣に魔力を注ぎ込み、ザノクに向かってまた走っていった
ザノクは拳を構えてその場から動こうとしない
エアー「・・いくぞ!!」
ザノク「来い!暴風の剣士!!」
エアーはザノクが間近な距離のところで、おもいっきり斬りかかった
ザノク「・・スピードダウン!!!!!」
ザノクはエアーの剣が当たる寸前でスピードをダウンさせて、拳を思いっきり構えた
ザノク「俺は・・ルースのために、ホワイトエンジェルズのためにも、お前を倒す!!」
エアー「・・・・・・・・・・」
ザノクは本気のパンチをエアーの腹に打ち込んだ
エアーはそのまま倒れこんでしまった
「フン、俺でも暴風の剣士を操れないとは・・まだまだのようだな。それとも、選ばれし者は・・・」
そのときに黒いようなものがエアーの体からでていった
ザノク「お前はどうしてそんなにかわったんだ?」
エアー「・・・・ヴァルデース」
ザノク「なに?」
エアー「究極神ヴァルデースだ・・究極神と名乗る奴に体をのっとられたんだ」
ザノク「究極神・・?本当に神だとしたら、これは一大事だぞ」
エアー「間違いない・・神だ・・俺の力を強制的に解放させたんだ」
ザノク「それより、もう限界なんじゃないのか、お前。」
確かに、エアーは顔がちょっと青かった
エアー「ああ、そうだな・・ここはまけを認めよう・・」
エアーは目閉じてそのまま喋らなくなった
ザノク「・・繭につつまれていない。しんではいないようだ」
しばらくの沈黙の中、ザノクはチャカを背負ってバトルドームの中心部へ向かっていった
続く。