チャオ同好会Returns(リターンズ)・その3
<その3>
果たし状が生徒会に届いたという噂を聞いた日の放課後、俺は北川部長から話を聞いた。
決闘(?)の日は6月23日の夕方、場所は学校の屋上。
「ヒーローチャオとダークチャオの誕生日という記念すべき日に記念すべき勝利を」等と意味不明なコトを言ってたし。
しかも、俺と月島先輩も出なきゃならんらしい。助けてください。セカ○ュー以上に助けてください。ネタ古いけど許してください。
さて、読者さんの頭の中で平○堅がかかったところで決闘当日がやってきた。
俺は放課後、月島先輩と一緒に学校の屋上へ上がった。
すると、既に北川部長と生徒会の3人は向き合っていた。やる気満々じゃねぇかよ。
しかも天気はくもり、強風ときたもんだ。まるで「決闘して下さい」って言ってるような天気だ。
【会長】「果たし状まで送るなんて、やる気満々ねぇ。」
【北川】「もちろんよ。あたしらは勝つわ。」
【会長】「あら、勝算でもあるのかしら?」
【北川】「ええ、とっておきのをね。」
その時、である。
書記さんが、チラリと俺と月島先輩の方を見た。
次の瞬間、書記さんの顔色が変わった。素顔拝見大作戦(北川部長命名)がバレたな、こりゃ。
(まぁいずれにしろバラすんだろうから、あまり関係ないと言えばそれまでだが)
ったく、どうせならチャオ同好会じゃない人使えってんだ。そのせいで顔に傷出来たんだぞこのヤロウ。
・・・と思ったところで今更何も始まらないが。
書記さんは会長さんの肩を叩き、何やら小声で話し始めた。
話し終わると、会長が北川部長に向かって話し出す。
【会長】「なるほど、そういう事ね・・・書記の素顔写真をばら撒こうって卑怯な手を使う訳?」
【北川】「残念だけど、書記だけじゃないわ。アンタ達2人のマル秘写真も用意してあるわよ。なんなら見てみる?」
北川部長は不気味な笑みを浮かべながら余裕の受け答え。どうやら卑怯なのは百も承知らしい。
すると、今度は副会長さんが一歩前に出た。
【副会長】「この僕に不都合なことなど何もない!どんな写真か知らないが、出せるものなら出してみろ!」
いや、アンタが3人の中で一番ヤバイです。俺的基準だと。
【北川】「あらそう。それじゃお望み通りにしてあげるわ。」
あ~あ、やっちまった。
すると北川部長は、かばんの中から副会長の部屋の写真を大量に印刷したものを取り出し、校庭の方に向かってバラ撒いた。
校庭では複数の運動部が活動中。これで「副会長=隠れオタク」は確実に学校全体に知れ渡ることになる。
【野球部員】「なんだ?屋上から紙が降ってきたぞ?」
【サッカー部員】「物凄いオタク部屋の写真・・・誰の部屋なんだ?」
【テニス部員】「ん?これは、副会長の名前の入ったノート・・・ってことは、まさか!?」
あー、もう校庭は大騒ぎじゃねぇか。
そして、そのうちの1枚が逆風に乗って、会長さんの手元に。おいおい、ヤバイぞマジで。
【会長】「こ、これは・・・!?まさか、アンタ・・・」
【副会長】「な、なぜ部屋の写真が!?しまった、これだけはぁぁぁっ!!!おのれぇっ、チャオ同好会!!!」
副会長、発狂しだしたぞ。これって北川部長の思い通りの展開なんだろうなぁ。
と北川部長の方を見ると、やはりニヤリとしている。
【北川】「勝負あったわね・・・」
しかし。
【会長】「落ち着いて!それじゃああっちの思うツボよ!
例えアンタが隠れオタクでも・・・あたしの気持ちは変わらないわ!!」
【副会長】「か、会長・・・」
さすがに一筋縄ではいかなかったらしい。というか、付き合ってる事カミングアウトしてません?もうこうなったらどうでもよくなってきたが。
【会長】「よくもやってくれたわね・・・そろそろ決着を付けさせてもらうわ、チャオ同好会・・・いいや、北川佑香!」
【北川】「上等ね!・・・だけど、勝負をするのはアンタじゃないわ。」
【会長】「どういう意味よ?」
【北川】「あたしの相手はアンタ・・・副会長よ!!」
勝負の相手が副会長さん?何をする気だ?
【北川】「アンタの家に上がりこんだ時確かめたわ。アンタの家にはゲームキューブとソニアド2バトルがあった・・・」
そ、そうなんですか?そういえば、何やらゴソゴソやってたような。
【副会長】「!?」
【北川】「そこで!チャオレース一本勝負よ!
あたしらが勝てばそっちがチャオ同好会を承認する。そっちが勝てばあたしらは大人しく解散するわ。これでどう?」
って、明らかにオレ達有利じゃありません?どう考えてもこちら側のフィールドだし。
【副会長】「そんなの不公平だ!」
そりゃ、そうなるよなぁ。・・・ところが。
【会長】「・・・分かったわ、その勝負受けて立つわ。」
【副会長】「か、会長!?勝手に言わないで下さいよ!」
【会長】「相手のフィールドで勝てば、向こうも文句はないはずよ。何としても勝つのよ!」
【副会長】「た、確かにそうですけど・・・」
なんと会長さんの説得で勝負を受けた副会長さん。敵ながら心配だ。
そして俺達は、全員で副会長の家に向かった。
(北川部長はメモリーカードを常時携帯してるからいいが、副会長のメモリーカードは自宅だからだ)
<続く>