第0話 【冥界からの使者】
――俺の命って・・・後何分なんだ?
――次にいつ【あいつ】は来るんだ?
俺は一年前位からある病気で入院をしていた。
最初はただ、風邪をこじらせただけかと思ってこの病院で診察してもらったのだが・・・
診察結果は・・・・前例のない病気らしかった。
医者達はこの病気に興味をしめし、たくさんの名医が俺を診察したが、皆答えは同じ。
さじを投げるだけだった。
以前は毎日のように続いた診察も無くなってしまい、ただ天井を見上げている事が日常となった。
でも・・・三日前にいつもと違った出来事が起きた。
毎日ベットで横たわっている事が日常の俺に非日常は前触れもなく、転がり込んできたのだ・・・・・
三日前・・・
記憶をさかのぼらせるとすぐたどり着く
丁度、時刻は三時。
友達が俺の事を見舞いに来てくれた時間帯だ。
「ったくさっさと退院して遊ぼうぜ」
「お前がいねぇともりあがらねぇんだよ。」
「ゴメンって!お前等、俺がいないと駄目だなぁ~」
「何だと~!」
一週間の中で唯一刺激が与えられる時間。
右から横田、青木
この二人は俺が幼稚園の時から一緒の付き合いだ。
ケンカもよくしたが今では自他ともに親友と言える程の仲だ。
そして・・・・
二人の後ろに居るのは髪を後ろに束ねた女の子。
名前は鈴山。鈴山も横田、青木と同じく幼稚園からの親友だ。
鈴山はクラスメイトからリンちゃんという愛称で親しまれている。
学校の男子からはその整った容姿からあこがれの的となっている。しかし彼女に好きな人が出来たとか付き合っているなんてのは聞いたこと無いが。
外に出られない俺にとってこの時間は繋がりを確かめる事ができる大切な時間。
しかし少し気になる事がある。
二ヶ月程前から鈴山の様子がおかしい事。
どちらかと言えば女子同士、もしくは俺達と遊んでばっかりの毎日でいて、男子に全く興味のない鈴山。
それが最近、恋愛に関する小説を読んだり、男子から見て理想の女の子って何なのかをよく横田、青木に聞くらしい。
俺に話しかけてこないことも不思議だが、好きな人でも意識してあまり話さない物なのだろう。
もしかして好きな男子でもできたのか? だったら誰だ?
いつしか俺はその答えを探している事が多くなっていった。
そしてその答えを考えている内に俺は暇さえあればいつも鈴山の事を考えている事に改めて気が付いた。
まさか・・・これって・・・・・恋?
んな訳ないよな・・・・・でも・・・・・
会って話したい・・・・・ だって・・・好きな奴ってのを聞き出してみたい・・・・
そんな事を考えていながら、変わらない天井をながめていた時だった。
「・・・おい」
「少年。俺が見えるか?」
夕焼けで照らされた部屋に立っていたそいつは、髑髏(どくろ)のお面をかぶっていた。
俺は思わぬ事に声を上げた。
「お前・・・・誰だ!」
「・・・・死神」
奴はそう平然と答えた。