第3話

休み時間

皆、誰にでも平等に接している。
さすがフラスプ中学校。友情世界一。

ギス「ラル!あ、ラルヴァってラルって呼んでもいいだろ?呼びやすいし。」




初めてあだ名というのをつけられた。
今まではただの悪口だった。悪魔だの、出目金だの。

嬉しい。嬉しい。涙を流したかったけど、恥ずかしくて流せなかった。

ラルヴァ「うん。いいよ。有難う。」

全員、全員がよろしくって。

ガクラにも、センにも、ライクスにも。

ああ、ここはなんて居心地のいい学校だ。天国のようだ。



終わりの会

担任「えー、明日から土、日、月曜日、三連休だ!」

クラスから歓声があがる。

担任「なので、一つ宿題をつけたす!」

クラスからガッカリした声があがる。

担任「難しくないぞ。アンケートだ。毎年行ってる、友情アンケートっていうもんだ。」

友情アンケート?

担任「我がフラスプ中学校はな、このアンケートの結果が世界一いいんだ。だから友情世界一って呼ばれてるんだぞ。」

ギス「へぇ~すげぇ!」

友情アンケートか・・・
本状になっていて、なかなか長い。しかも本来、アンケートはチェックボックスをチェックするものがよくあるが、このアンケートはほとんどが字で書くとこばかりだ。


放課後。
放課後といっても、まだ一人も帰っていない。皆おしゃべりしたり、教室の中で遊んだり。

僕は、アンケートの1ページ目を開いた。

1,あなたにとっての、クラス内の友達の名前を全部書いてください。

下には大きく四角い欄があった。ここに書くんだな。

ラルヴァ「・・・ねぇ。ギス・・・」

ギス「んー?早く帰ろうぜ!学校で宿題やってんのか?アンケートなんか家で書けばいいじゃねーか。」

ラルヴァ「ギスだけじゃない。皆聞いて・・・」

皆が振り返った。

ラルヴァ「僕にとって・・・君たちは・・・友達と思っていいのかなぁ?」

皆、最初ポカンとした顔をした。何故そんなこと聞くのだろう、と。

ギス「何言ってんだよラル!お前が友達って思って無くても、俺らは皆お前のこと友達って思ってんだぞ!な!」

皆も声をあげて賛成した。

生徒「皆友達よ!だから、アンケートにも、私たち全員の名前、書かなきゃね!大変よ~!」

生徒「そうだな!大変だけど、ちゃんと皆の名前書けよ!」

えっ




僕のことを

友達と見てくれている

こんなの初めてだ


家に帰って
机の上にアンケートを置いた。涙が出た。
皆友達だって・・・僕のこと友達だって・・・
ボロボロと、アンケートの上に涙が落ちる。

ラルヴァ「いけない・・アンケートが濡れちゃったよ・・・」

濡れたアンケートに、涙をふきながらクラス全員の名前を書いた。


僕は 満足した顔で布団に入った。
3連休、早く明けないかな。休みが早く明けてほしいチャオなんて、珍しいかもしれないけど、

早く、早く【友達】の顔が、 見たいから

このページについて
掲載号
週刊チャオ第228号
ページ番号
3 / 4
この作品について
タイトル
デビル・アイ
作者
レル(リュイ)
初回掲載
週刊チャオ第228号