第2話
担任「それでは、自己紹介をしてもらおうかな。」
生徒「先生ーっ人に名前を聞くときは自分から名乗るんだぜっ!」
白色のソニックチャオが叫ぶ。クラスじゅうに笑いの声。
担任「ムムッ・・・今言おうと思ったんだよ~。1−1担任、シルバです。好きなことは釣り。担当教科は数学で―」
生徒「先生の長ったらしい挨拶はいいよぉ!」
またさっきの子が声をあげる。
担任「お前が言えって言ったんだろう!」
またクラスじゅうに笑いの声。
あぁ、なんて明るいクラスだ。
生徒「あーっじゃあ俺から自己紹介するよ!」
さっきからやたらと元気のいい子だ。
ギス「俺の名はギス!白ソニックチャオ!世界一元気なチャオだ!よろしくな!!!」
生徒「先生ー!ギス君の声がうるさくて頭が痛いでーすw」
ギス「なっ!?」
しかしそれは嫌味ではない。ただ単に両人とも面白半分。
担任「じゃあギスの後ろから列順に自己紹介しろ!内容はなんでもOKだぞ!」
ギスの後ろのチャオからどんどん自己紹介をしていく。
僕の一番印象に残ったのは、ギスと―
ガクラ「私は・・・ガクラです。これでも女です。幼稚園児のときにいじめられて片耳を破られました。皆さん、気持ち悪いかもしれませんが、よろしく・・」
ガクラには、生まれつきチーターの耳がついていたようだが、片耳は根からちぎられたようで、穴が開いていた。見ただけで、グロい。
セン「僕は、センです。昔火事で顔を焼かれました。よろしく。」
見るからに顔はボロボロ。焦げ目がところどころにつき、皮は剥がれ、肉が見えている。
ライクス「僕は、ライクス・・・小1のとき、変なチャオから誘拐されて、実験台として変な薬を飲まされて、顔が崩れました・・・よろしくお願いします・・・」
泥が崩れたような顔だった。何段にもなっていて、ところどころにブツブツができていた。心の弱いものは見ただけで吐き気がするだろう・・・
思えば、コイツら、僕の顔よりひどいんじゃないか?
ちょっと― 嬉しかった。
でも、僕みたいな醜いことを思うチャオは、他に誰もいなかった。
どんなに残酷な話をしても、皆、笑顔で拍手。「よろしく!」と言ってくれている。
次は僕の番だ。
ラルヴァ「僕はラルヴァといいます。生まれつき片目が大きく、片目が細いです。変な顔ですが、よろしく。」
担任「ぉーお!君がラルヴァ君ね!すごいよ!入試、全教科満点だったんだぞ!?」
周りから驚きの声。
ギス「すっげぇ!お前頭いいんだ!気に入ったぜ!よろしくな!」
あ、僕ギスの隣の席なんだ。
僕は笑って握手した。
良い学校生活になるために