3
~始まり市内逃走劇~
「さてとぉ、今日も還ってきたねぇ。」
ダーカがいつものなまり口調でみんなに話しかけます。
しかし、みんなはぽかんと口を空けています。
ダーカの方がおかしいと思う方は正解です。
なぜなら、周りが警察に囲まれている物ですから。
「・・・おい、これはどういう事だ?俺何もしてないぜ。」
「しりません。それよりも速く苺ジャム食べたい・・・。」
「いや!此処は思い切って話しかけてみようよ!」
「はぁ、人間語が分かるはず無いだろ!俺たちには!」
しかし、諦めきれないテイチャは警察の人に聞いてみます。
「すいません。これから僕たちをどうするつもりなんですか?」
『監獄にぶち込む!』
「ははは。僕たちの言葉と違わないなんて事はないよね。」
「テイチャぁ。なんか言葉が変だよぉ?」
5匹はしょうがないので、話し合います。
結論は速攻で出たようです。
彼らは一斉に飛んで行こうと思いましたがそれも無理。
なぜなら軍用ヘリが構えているのですから。
攻撃なんて出来るはずもないです。
一般市民が居るところでワザを使うほど彼らは残酷ではないです。
そこで彼らが考えた作戦とは。
「よし!イッツショータイム!」
テイチャがそう言うと、全員が警察の持っている盾を奪い、
それをスケートボードのように扱って、市内を滑り逃げることにしました。
「おぉ~、滑るぅ~」
ダーカは流石とも言うべき身体能力で、スケボを走らせます。
「かかかかか!追いかけてくるなら来てみろやい!」
シャドチャもそれなりに楽しんでいます。
2匹はジャンプ台にも乗りながら、技を決める始末。
しかし、そう言う流れだと、3匹は悲劇的な事になっていました。
実は、3匹が同時に同じ人の盾を持ったのです。
つまりは、一つに3匹も乗っているわけで。
「こらチャオ~、もっと速くしないと逝けないみたいチャオ~」
「うるさい~分かっているよ~。」
「おちるでしょ~。」
ダウンタウンは曲がり角が非常に多いのです。
曲がるときは一心同体でないと行けません。
「右!」「右チャオ!」「右ですね!」
「左!」「左チャオ!」「左ですね!」
「左右!」「左右チャオ!」「安全運転ですね!ってうわわわ!」
しかし、あっという間にスケボは横転してしまいました。
そして彼らは見事に警察に連行されたのでした。
「あらぁ、3人とも捕まったようだねぇ。」
「しめた、俺たちも逃げるぞ。」
「はいはいぃ~。」
しばらくすると草が生い茂る裏道につきました。
スケボは使えないようです。
2匹は此処で降りることにしました。
「何故に、こんなに穴がある物かねぇ。」
「墜ちたら間違いなく即死だな。」
「そうだねぇ、ってうわわわわ!」
「お、おい!ダーカぁ!」
しかし、しばらくすると、飛んで戻ってきました。
そしていかにも「いたずらだよぉ」みたいに舌を出しました。
・・・しばらくお待ち下さい・・・
「さてと、道が又出てきたな。」
「そうだねぇ。・・・うぅ痛いよぉ。」
「当然だろ。傷がそんなにたくさんあるんだから。」
「うぅ、まぁとにかく道を降りるかぁ。」
そして、2匹は今度は走り出しました。
途中でジャンプ台みたいなのもあります。さっきのように。
「よし!飛ぶぞ!おりゃあああ!」
ダーカは勢いよく飛んで空を駆けます。
そして、1UPをゲットすることに成功しました。
「1UPって、どんな効果があるんだよ、おい。」
「うわぁいぃ。1UP~。」
「こいつにとっちゃ、とったことがいいんだな・・・。」
そして、彼らは道を過ぎ、階段に到達しました。
「この階段はどう降りようかぁ。」
「真っ直ぐにするか。」
そう言って、シャドチャはハンマーを持ってニヤリとしました。
ダーカはチャオの癖してひやあせを出して、ヒヤリとしました。
振り落としたハンマーは階段の壁を突き破りポカリと穴を空けました。
「う~ん、韻がそろっているね!ラップの歌詞作れるかもぉ。」
「無理だな。一生掛けても。」
「僕は死なないから一生がずっと続くよぉ!」
「とにかく、ハンマーをとってこないと。」
そう言ってハンマーをとりにいったシャドチャは、
なんであんなやつとペアにしたのかと心底怒っていました。
続く。