~冒険に出発する前に~

「さてと、早速だが訂正があるんでさぁ。」
「いや~ダーカ。なんで「黙っ」のまま野放しに・・・。」
「うるさい!テーちゃん!これはわざとなのぉ!」

朝の始めからテイチャ(テイルスチャオ)とダーカ(ダークカオス)は騒いでいます。
此処はチャオガーデンの岩肌を勝手に穴を空けて作った小屋です。
此処には5匹のチャオがすんでいます。

「うるせ~!朝からピーピーピーピー何騒いでるんだ!」

誰かが起きてきたようです。ハンマーを持っているこのチャオはシャドチャ(シャドウチャオ)。
めちゃくちゃ短気です。ただもう転生しないような手術を受けています。
一生この性格は治りそうもないです。

「こうなったら、このハンマーでぶっ殺してやるわぁ!」
「いや、俺カオスチャオだから死なないからぁ。」
ダーカが突っ込みを入れても止まりそうもありません。
「うるせぇ!食らえ!スーパーハザードハンマー・・・あれ?」

その時、そのハンマーから取れた何かが寝室に高速でつっこんでいきました。
すると、そこから分厚いカーテンを引き裂いたような声が。

「・・・あ、そうだオニちゃんが寝ていたんだぁ~。」
「あんたらは俺を一生眠らせるつもりですか。」

そう言って出てきたのはげっそりとしたオニチャ(オニチャオ)。
ただし、頭からその種類にはない丸い物が出ています。

「ごめぇん、オニちゃん~。何せ、ハンマーが壊れている物で。」
「いや、新しいの買ってください。」
「予算が足りないからねぇ。まぁ食費は抑えているけど・・・。」
「ほとんど、捜索費に使われるんだよねぇ。テーちゃぁん。」

テイチャは何も言わずにうずくまっています。
それを悟ったかのようにダーカが、

「うんうん。悪は悪だけには居ないわけだねぇ。」
と言ったのでした。

「ところでさぁ、朝ご飯はどうするぅ?」
「あぁ、今日の担当はオニチャオだったよね。」
「昨日に作っておいたよ。」

そうして出てきたのはヨーグルト、パン、クッキーの3つ。
いや、説明が足りません。全てに「苺ジャム入り」を付けましょうか。

「あ~!なんでいつもてめぇは苺ジャムなんだこんちくしょ~。」

一気に言い放ったらしくシャドチャはぜぇぜぇ息切れしています。
他のみんなは何も言わずにそれらを食べています。
しかし、頭の中では怒りが駆けめぐっているのをしらないオニチャでした。

冒険はいつ始まるのでしょうか。
そんなとき、一匹のチャオが入ってきました。

「・・・この苺のにおいが鼻を突くチャオ。」

入ってきたのは今や珍しい、チャオチャオ語を使うオモチャオ。
しかし、ロボットではなく中にはきちんとチャオが入っています。
中はムシムシしているらしく、かなりにおうそうです。

「おぉ、オモチャオかぁ。」
「ダーカおはよう。みんなもおはようチャオ。」
「けっ、しけた面しやがって。」
「シャドチャ。覆面だから変わるはず無いってばぁ。」

と、こんな調子でいつも過ごしていました。
すると、チャオガーデンから足音が。

「げっ、他のチャオは全員黒繭にしたのにぃ。」
「ダーカ。結構残酷なことを口走っているチャオよ。」
「あはは。侵入者はつぶれたトマトにしてやるわぁ!」

物騒ぎなことを言っている間に、その入ってきた物は、
岩肌にある小屋の扉を開けます。

「・・・なんだ。おまえら。こんな所にいたのか。」

そう言って来たのはナックルズでした。

「・・・はぁ、おどかさないでよぉ。」
「相変わらず、なまりがひどいな。ダーカは。」
「で、なんか用?」
「いや、じつはな・・・。」

そうして聞いた話にみんなはあるはずもない腰を抜かしました。

続く。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第181号
ページ番号
2 / 19
この作品について
タイトル
だまっとけ。(黙っとけ。)
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第181号
最終掲載
週刊チャオ第197号
連載期間
約3ヵ月23日