ヒーローサイド・第16話 急げ!
「ギアは…ギアは無事なのか!?」
僕はダークチャオに尋ねた。
「ギア様は…もう一人の部下を連れてCブロックに向かっておられる…早く逃げるんだ…でないと…マンティスが来る…」
マンティス…!?
まさか、そいつが研究中のデータ生命体なのか!?
僕達は逃げ道を探そうとしたが、どこにも見当たらない。
そういえば、カレンは水を操る技を持っていたような…
「カレン、水刃の舞は使えないか?」
「あの技で火を消しながら進むんですね。けど、あんなに激しく燃えているんじゃそう簡単には消えないと思いますけど…」
「やってみなきゃ解らないじゃないか!」
「……そうですね。では…」
カレンは、ガードロボとの戦いの時と同じように、
扇子を取り出し勢いよく振りかざした。
水の刃が放たれ、燃えさかる炎に命中する。
しかし、炎は少しも消えなかった。
連射でもしない限り、この炎を消すことはできないだろう。
仕方がないので、別の逃げ道を探すことにした。
「みんな、しっかりついて来るんだ!」
僕達は、激しく燃える炎の間を必死に走っていった。
どこか抜け出せる場所を見つけなければ、
僕達はここで死んでしまうだろう。
しかし、そんなことになっては、この世界はどうなる?
サイバーカオス計画が実行され、サイバーワールドのチャオ達は皆絶滅し、この世界はあっけなく滅んでしまう。
そんな事はさせない…!
走り続けた僕達はやっと、エレベータのような所にたどり着いた。
どうやら、故障してはいないようだ。
よく見ると、ボタンの上に鉄の塊らしきものがある。
警報装置が壊されたのだろうか?
僕達は急いでエレベータに乗り込み、次の階へ向かった。
この先には、きっと激しい戦いが待っているだろう…