ダークサイド・第15話 奪われた究極生命体
俺が到着した時には、すでにBブロックは見るも無残な光景になっていた。
何人もの部下が、燃え盛る炎に包まれていた…
と、その時、運良く生き残った一人の部下が炎の中から現れた。
「ギア様…新型データ生命体・マンティスが…暴走…して…」
「何だと!?」
マンティス…
体はごく普通のニュートラルチャオだが、腕に巨大な鎌を持ち、四本の足を持つ大型生命体だ。
その力は凄まじいが、何より恐ろしいのは、マンティスの持つ「憑依能力」…
チャオは生まれつき、他の生物の能力を自分に取りこむ「キャプチャ」と呼ばれる能力を持っている。
しかし、マンティスの憑依能力の場合は、自分から他の生物に寄生しその力を奪う。
この憑依能力によって、マンティスは徐々に力をつけていくのだ。
「今生き残っているのはお前しかいないのか!?」
「あと一人いますが…逃げる途中…はぐれて…しまって…」
「…わかった。俺について来るんだ!」
俺とたった一人の部下は、急いで研究室の出口に向かった。
その途中、サイバーカオスを隠しておいたコンテナがあったはずの場所に辿り着いたが、コンテナは既に奪われていた。
何ということだ…サイバーカオスが奪われてしまうなんて…
まさか、マンティスを暴走させたのも奴の企みだったのか!?