ダークサイド・第16話 一つの命が消える時

部下を連れ研究室の出口に向かう間、
俺は、正反対の方向へ逃げたもう一人の部下のことを考えていた。
どうやら彼は生き残っているらしいが、
データ生命体に襲われている可能性も十分ある。
そこで俺は、部下にこう伝えた。

「俺はもう一人の部下を探しに行く。お前は早く逃げるんだ。」

「けど、ギア様は…」

「大丈夫だ。部下の為なら、命など軽いものさ。」

そう言って、俺は炎の中へ突入することにした。
勿論、無防備に入るなんて事はしない。
ダークスターズの幹部にのみ渡されるハンドリングに搭載されたバリアを使うのだ。
このバリアを使うと、炎の中なども無傷で通り抜けることができる。
俺は早速バリアを展開し、炎の中へ入っていった。

俺は部下が逃げたと思われる場所に進んでいく。
その途中では、破壊された試験管や、すでに灰と化した実験体があった。
逃げ遅れた部下達は、もはや姿形も無くなっているだろう。
しばらくして、近くから声が聞こえてきた。

「誰か~!」

部下の声だ。
俺は急いで、声がした方角へと走っていった。
そこでは、部下が巨大なデータ生命体に襲われていた。
俺は剣を抜き、データ生命体を斬りつけた。

「ギア様…!?」

「俺が来たからには安心しろ。必ずこいつを倒してみせる。」

データ生命体は巨大な鎌を振るい襲いかかってくる。
俺は剣で鎌を受けとめ、そのままデータ生命体の腹を突き刺した。
データ生命体は巨体を振るい苦しんでいる。
しかし、これで終わりではなかった。
俺はどうやら油断していたようだ。
鎌が俺の体に突き刺さる。
その時、すでに俺の意識はなかった。
俺の命も…ここで…終わりか…

このページについて
掲載号
週刊チャオ第128号
ページ番号
22 / 22
この作品について
タイトル
CYBER CHAOS
作者
あらら(ボロット)
初回掲載
週刊チャオ第112号
最終掲載
週刊チャオ第128号
連載期間
約3ヵ月23日