ダークサイド・第12話 禁断の実験
俺はチャオランからの伝言を聞いて驚いた。
チャルマ様がサイバーカオスのサンプルを渡せというのだ。
あんな奴に俺達の研究の成果を利用させる訳にはいかない・・・
俺は様々なデータ生命体の遺伝子を組み合わせることに挑んだ。
しかし、どれもよい結果にはならなかった。
そこで俺は、禁断の実験を考えついてしまった。
その実験とは、「チャオとデータ生命体の合成」・・・。
チャオがチャオを、人工的に作り出す。
それは禁じられていたことだ。
しかし、俺は研究員としてやらなくてはいけない・・・
この"禁断の実験"を。
実験体となるのは、生まれたてのチャオだ。
ある程度成長したチャオだと、遺伝子合成がうまくいかない。
また、実験中に抵抗してしまうこともある。
生まれたての何も知らない子供チャオの場合は、
そのようなことがないため、実験に利用できるのだ。
俺は何度も挑戦した。
何度も挑戦したが、予想通りのものはできなかった。
予想通りの物が出来るとは限らない、これは常識だ。
俺はこれらの失敗作を「プロトカオス」と名付け、彼らには遺伝子研究室の守備をさせた。
プロトカオスは腕が巨大化し、腕力に優れたものや、
骨のような羽が生えたものがいた。
俺はなんて実験をしてしまったんだと後悔した。
しかし、今更後悔しても遅い。
一度やったからには、目的を果たすまで何度でも繰り返す。
それが俺のやり方・・・