第10話 狂気の変貌
槍をはじかれたルイガルだが、彼は動揺することはなかった。
ルイガルの体から出るオーラが、より激しさを増している。
「こいつ・・・武器が無いのに戦おうとしている・・・何故だ!?」
戸惑うユニコリス。
そして、激しいオーラを放ちながらユニコリスを見つめるルイガル。
「チャロさん、助けなくていいんですか?」
「確かにあいつは、ユニコリスは自分の力ではとても太刀打ちできないと言っていた。しかし、そんな奴と一人で戦う理由があるんだろう。だから、僕は見守ることにする。」
僕達が話している間に、
ユニコリスが杖を天にかざし、呪文を唱え始めていた。
ルイガルはユニコリスの呪文を止めにかかろうと、走ってユニコリスに向かって行った。
「ほう・・・まだこの俺を倒すつもりなのか・・・。クケケケ。」
「ああ。お前に殺された両親のためにも、お前を倒す!」
ルイガルはユニコリスのすぐそばまで近づき、回し蹴りを食らわせた。
ユニコリスは大きく吹っ飛び、杖がルイガルの近くまで弾き飛ばされた。
「俺の・・・エルフィンロッド・・・が・・・」
「お前はこの杖のせいで正気を失っていたようだな・・・。これを壊せば、お前も元に戻ることができるだろう。」
「やめて・・・くれ・・・その・・・杖が・・・ないと・・・俺は・・・」
「杖がないからと言ってどうなるのだ。この杖を壊しさえすれば、お前が狂気にとらわれることもなくなる。」
ルイガルはユニコリスを尻目に、彼が使っていた杖の先端を握りしめ破壊した。
ユニコリスの体がだんだん鉄のようなものに覆われていく。
「杖が・・・ないと・・・俺は・・・ギア様に・・・存在を・・・消されて・・・しま・・・う」
「俺の両親を殺した罰だと思うんだな・・・。」
ユニコリスの体は完全に鉄のようなものに覆われ、どす黒い液体となって消えていった。
僕には、何故かルイガルの悲しみがわかるような気がした。
そして、ついにダークスターズ本部タワーに突入することになった。
「カレン、ルイガル、これからダークスターズの本部に突入する。準備はいいな?」
「俺はもう準備はできている。実は、槍がはじかれてもいいようにスペアを持ってきたからな。」
「私も準備OKです。チャロさん、ルイガルさん、行きましょう!」
ついにダークスターズの本部に突入!?
次回もお楽しみに!