~その2・昔の話・後編~

二番目はマッチャです。
 (「マッチャは・・・あれ?いない・・・。」)
確かに、普通チャオが寝るような所には、見あたらない。タンタンが、ブルーをつっついた。
 (「あそこにいるよ。」)
タンタンは、穴(レースとか、カラテとかするときに入るとこ)の上で寝ていた。ブルーは思った。ここ変人(変なチャオ)ばっかかも・・・。
 (「なんであんなとこにねてるんだ・・・。」)
 (「スリルがあるんだって。」)
あそこで寝るのは危険だからだめって言われたような気がするんだけどな・・・。あ、でもあの時マッチャだけいなかったかも。つーか、タンタン、注意するとか止めるとかしろよ。
 (「僕も一回試したけど・・・。」)おい。
 (「すっっごく、楽しかった。」)なんだそら。
 (それはちょっとおいとくとして、はやくやろ。)
 (「うん。」)タンタンは笛を取り出した。
 (「何で今度は笛なんだ?」)自慢か?
 (「何となくやりたいから。」)あっそ。
タンタンは笛を吹き始めた。ひゅ~~~~・・・・・。
 「ん~・・・。誰だよ、こんな夜中に。(←ちょっと不機嫌)」
 「お~ば~け~だ~ぞ~。」二人いっしょに言った。
 「だから何?(←よけいに不機嫌)なんか用でもあるの?」
 「う・・・・・。」
 「なんも用がないんだね(←超不機嫌)じゃあ僕は寝るからね。」
 マッチャは眠り始めた。スースーと寝息を立てて。
 「・・・うるさいなあ、僕は虫は嫌い。・・・・」
 (「もしかして今までの寝言?」)
 (「そうかもしれない」)

そして最後はオチャです。
 (「最後はオチャっと・・・あっオチャのやつあんな所で泳いでる。」)オチャは、池で泳いでいた。確か今日、あいつ沢山昼寝してたし。日当たりいいとこで。目がさえて寝られなくても不思議はない。
 (「ブルー、どうする?」)
 (「布を取ってコレを使う。詳しく言うとね・・・・(ごにょごにょ)ってこと」)
 (「OK!じゃやろう。」)
二人は布を取ると、静かに水に入った。頭だけ出してオチャにゆっくり、ゆっくり近づいていく。タンタンは元々カボチャをかぶっていたのだが、ガイコツに変えていた。そしてそのカボチャを、オチャの方へ流し、・・・ぶつけた。
 「何!!・・・カボチャ?いったい誰が・・・」
 「僕ら」
 「何だ、ガイコツさんか・・・って、え、ガイコツ、がしゃべった?」 オチャは気絶した。水中で気絶したままってのは、危険なのでりくにあげておいた。

 「あれは、月のきれいな夜だったね」  
 「うん。でも今日の月もきれいだよ。」 
二人は空を見上げた。まん丸な月が二人を優しく照らしながら見下ろしていた。星も、キラキラと輝いていた。ふと、月を雲が覆った。
 「見て、月が恥ずかしがってるよ。」 
 「本当だ。」  二人はくすくす笑った。
月のきれいな夜二匹のチャオが岩の上で月を見ていた。いつまでも、いつまでも。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第107号
ページ番号
4 / 55
この作品について
タイトル
小さな話
作者
バロン
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第124号
連載期間
約4ヵ月