~その2・昔の話・前編~

ここはとあるチャオガーデン。・・・おや、池のそばで赤い派手なチャオがたそがれています。・・・・青いチャオが近づいていきます。(彼には足がありません。)少し見てみましょう。
 「やあ、タンタン。」
 「やあ、ブルー。なにかようかい。」
 「いや、特に用という訳じゃない・・・かな。ただ・・。」
 「ただ?」
 「ちょっと、前のことを思い出してね。」
 「前のこと?」
 「君の足がなかったときのことさ。」
 「ああ、あのときのことか。」
タンタンはくくっと笑いました。
 「あれは面白かったな。特にオチャ。」
 「うん。あれは面白かった。」

ブルーはそのときのことを思い出した。

その時、タンタンは足が消えていた。それでも別にみんなは特に気にしてなかった。でも、タンタンは少し気にしていた。ある日、ブルーがタンタンにある提案をした。『ねえ、みんなを驚かそうよ。』タンタンは迷わず同意した。
もちろんブルーも、足が消えていた。でも、彼は気にしていなかった。・・・もちろん最初は、少し気にしたけど。彼は元気で遊んでいるタンタンをまた復活させたいと、そう思っていた。1日、丸1日彼は考えて、タンタンに提案したのだ。みんなを驚かそう、と。でも、ブルーは、タンタンが迷わず同意したので拍子抜けしてしまった。
 「うん!って・・・。タンタン、結構薄情なやつだったんだな・・・。」
 「なんでそうなるのさ。で、どうやってやるの?」
 「コレとコレを使う。」
ブルーは白い布とガイコツを二つずつ取り出した。
 「これどうしたの?」
ブルーは口に手を当てて(シー。みたいなことがやりたかったらしい)
 「ヒ・ミ・ツ!」
 「ふーん。ま、別にいいや。どうでも。・・・それをどうするの?」
 「んとね、ガイコツをかぶって、その上に布をかぶるの。」
布には、目が見えるように、穴があいている。
 「どうでもいいことかもしれないけどさ、何でガイコツをかぶるの?」
 「かぶってなかったらすぐにばれると思う。」
 「何で?」
 「だってさ、もし布が取られたら終わりじゃん。」
 「あっそっか。そうなったらつまんないもんね。」
 「(つまんないもんねって・・・)」
 「ねえ、どうせなら片方はカボチャにしようよ。」
 「何で?」
 「なんとなく!」
 「・・・・・。」
ブルーは思い始めた。タンタンは別に気にしてなんかなかったんじゃないか?って。僕ははめられたんじゃないかって。別にいいけど。
だって、ブルーはこのことをやってみたいって前々から思ってたから。・・・ひとりでやるのはな・・・。って思ったからやってなかっただけで。
 「ねえ、二人で何してるの?こそこそ。」
 「!!オチャ!!」
 「別に何でもないよ。ちょっと話をしてただけさ。」
 「ふーん。ねえ、みんなでテレビ見ようよ!あとタンタンとブルーだけだよ。」
 「ああ、僕らも行くよ。な、タンタン。」
ブルーはウインクをした。(『あとでまた話そう。』)
 「ああ。」
タンタンもウインクを返した。(『OKまたあとで。』)
タンタンとブルーはオチャについて行った。

そして、そのあとテレビを見て、いろいろ打ち合わせをした。ぬかりはないはずだ。ブルーはそう思った。そして、その夜ではなく、その次の夜。
 「タンタン、準備できた?」
 「うん、楽しみだね。」

ブルーの作戦は、こうだった。 
みんなが夜中まで起きてたり、出歩いたりする可能性は、あんまり高くない。つーかほぼない。だから、ねてるとこを起こす。・・・ちょっとかわいそうだけど。そいで寝ぼけてるとこで驚かす。待ちぼうけやだし。それを聞いたタンタンは言った。
 「それいい!」
しかも、Vサイン出して。
お前はみんなに恨みでもあるのか?・・・。ブルーは思った。でもブルーは言った。
 「そうだね!(裏があるチャオ)」
 「イエーイ!」
なんだよ、イエーイ!って・・・。本当に恨みでもありそうだ。腹に一物って。思い当たることはないけど。ブルーは思った。
 (あとで聞いてみようかな・・・。)
それも怖い気がする。
話を戻すが、ブルー達は、まずメロンを驚かすことにした。
 (「よく眠ってるみたい。」)
 「・・・もう食べられないよ・・・」
なんかよくあるような寝言だ。
 タンタンはたいこを取り出した。どろどろどろどろ・・・・・
 「う~ん・・・・。なに・・・・。うるさいな・・・。」
 「お~ば~け~だ~ぞ~。」
二人は声を合わせていった。
 「あ」
メロンは気絶した。

続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第107号
ページ番号
3 / 55
この作品について
タイトル
小さな話
作者
バロン
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第124号
連載期間
約4ヵ月