【その3】
<その3>
TERRAへと向かう巨大なエネルギー反応。その正体は、巨大な飛行機のようなもの。
そこに乗っているのは、1匹のチャオ。名前は、ディオス。
実は、ディオスこそ、ラスボス・・・じゃなかった、地球を統治するチャオ政府のトップなのである。
【ディオス】「ラスボスとハッキリ言いたまえ!私がラスボスで無ければ何だと言うのだ!」
・・・あら、自分で認めちゃってるよこのチャオ。
なんでラスボスがいきなり出てくるかといえば、つまるところ尺の都合というものもあるし、何よりこの機体を扱えるのが彼だけだからである。
連載なら敵幹部をワラワラ出して大激戦とかやりたいんですが、そうなると今度は作者の体力がもちません。
【ディオス】「・・・そんな話はどうでも良かろう!グラン・ルネスはこの私が倒す!!それだけだ!!」
ごもっとも。
【青村】「出撃準備、整いました!カタパルト開きます!」
【春野】「X−1、出撃!」
【山中】「X−2、出撃!」
その合図と共に、再び2機が飛び立つ。2機は空中で変形し、
【2人】「合体!グラン・ルネス!!」
スーパーロボット、グラン・ルネスへと合体した。
【春野】「そこ!コピペで済ますな!」
うるせぇ!こっちだって必死なんだよ!
【ディオス】「来たかグラン・ルネス!我が力、とくと見るがいい!」
するとディオスの乗る飛行機が変形した。変形した姿は、いかにもラスボスらしい悪役風ロボット。サイズはグラン・ルネスとほぼ同じ。
【ディオス】「これが我々チャオの力!カオスブレイカーだ!!」
【春野】「人間をなめるなよ・・・!?」
突然、ゴッド・ルネスの足がガクンと音を立て、膝立ちの状態になった。
【山中】「バランスが取れてない!?」
【春野】「ウソだろ!?調整は完璧だってあの爺さん・・・まさか!?」
【山中】「ええ、考えられるとしたらそれね・・・地球の重力。」
ご存知の通り、地球の重力は月の6倍。グラン・ルネスは月や宇宙での調整はできても、地上での調整はできなかったのである。
【春野】「だったら合わせりゃいいんだろ!?
・・・無重力モードと月面モードの差分から地球での必要圧力値を計算して、それに合わせて・・・」
グラン・ルネスの調整は本来自動で行われるが、こういう場合は当然追いつかない。そこで、手動での調整が必要なのだ。
春野はそれを頭に叩き込んでいた。というより、必要だったので仕方なく叩き込んでいた。
しばらくすると、再びグラン・ルネスは立ち上がった。
【春野】「改めて、いくぜ!」
【山中】「ええ!ビームブレード!」
と、ビームブレードを抜き、カオスブレイカーに斬りかかる。だが、
【ディオス】「はあぁぁっ!!」
カオスブレイカーもビームの刃を抜き、斬り結んだ。力勝負。
【春野】「ぐっ・・・!!」
力はほぼ互角か。決着がつかないと見るや春野はグラン・ルネスを下がらせ、剣を突き立て再び飛び掛った。
【春野】「ええええいっ!!」
【ディオス】「甘いわぁっ!」
それをディオスが二度、三度と弾く。力と力の剣勝負。
【青村】「すごい・・・どっちも・・・援護したいけど、1対1の勝負がお約束だから無理だし・・・」
本来は戦争なんざ勝ってしまえば卑怯もへったくれも無いのだが、スーパーロボットの世界でそれをやってはいけないのである。
【山中】「くっ・・・やっぱ強いわね・・・諒一、ここは一旦下がって射撃戦よ!」
と、山中が言うが、
【春野】「いや、ここは俺がやる!」
春野はそう言って引き下がらない。
【山中】「何言ってんの!?それじゃ負けたら終わりじゃない!」
【春野】「だが俺は負けねぇっ!」
【山中】「何その根拠の無い自信!?」
そして、喧嘩ムードへ。こうなるとマトモに動けるものではない。
【ディオス】「何をしている!でええええいっ!!」
動きの止まったグラン・ルネスに、カオスブレイカーがビームの剣で一撃。左腕を吹き飛ばされた。
【山中】「きゃあっ!?」
火花散るコクピット。だが、2人の間の火花は収まらない。
【春野】「お前が文句言うからっ!」
【山中】「アンタがあたしの言うコト聞かないからでしょ!?」
【ディオス】「フフ・・・フハハハハ!やはり人間はチャオより愚かだったようだな!!」
すると突然、ディオスが叫んだ。
【3人】「!?」
【ディオス】「我がカオスブレイカーとグラン・ルネスの性能はほぼ同程度・・・それは認めよう。
だが貴様等には決定的な弱点がある!そう!操縦するのに2人必要だという事だ!」
【山中】「・・・・・」
【ディオス】「恐らく1人では扱えんと判断したのだろうが・・・私ならばこのように容易い!!」
確かに、ディオスはカオスブレイカーを1匹で操縦している。
さらにディオスは喋り始める。その間に撃って倒せばいーやんと思った奴、ちょっと表へ(略)
<その4に続く>