【その2】
<その2>
【青村】「宇宙船『TERRA』、戦闘モードへ移行!同時に、X−1、X−2の両機体も出撃準備!」
TERRA[テラ]―――母なる大地の名を冠したその宇宙船が変形していき、戦闘態勢を整える。そんな中、春野が聞く。
【春野】「え?お前、出るのか?」
【山中】「か、勘違いしないでよねっ!どうせアンタ1人じゃすぐ敵にやられて作戦が台無しだからあたしも一緒に出るだけよ!」
【青村】(だからツンデレって呼ばれるんですよ・・・)
それはともかく。
【春野】「あの爺さんが人間の科学力を結集して80年かけて造り上げたスーパーロボット・・・」
春野と山中はパイロットスーツに着替え、格納庫へ。それぞれ機体のコクピットに乗り込む。
【山中】「地球を乗っ取ったチャオの連中にギャフンと言わせてやるわ・・・」
【青村】「出撃準備、整いました!カタパルト開きます!」
【春野】「X−1、出撃!」
【山中】「X−2、出撃!」
その合図と共に、2機が宇宙へと飛び立つ。2機は宇宙空間で変形し、
【2人】「合体!グラン・ルネス!!」
スーパーロボット、グラン・ルネスへと合体した。
【青村】(どうでもいいけど、なにこの70年代テイスト・・・)
作者がトチ狂ったせいです。でなきゃわざわざ宇宙空間で合体なんざしませんぜ姉さん。
【春野】「来たな・・・いくぜ!」
目前に迫った敵の大部隊。春野はグラン・ルネスを駆り、大部隊の目の前に立ち塞がってみせた。
圧倒的な存在感。これぞスーパーロボットである。
【山中】「ビームシューター、照準!・・・発射っ!」
山中がグラン・ルネスの持っているビーム銃「ビームシューター」を発射する。その光は敵部隊の中心を貫き、次々と機体を光の華に変えた。
【青村】「高エネルギー反応・・・来ます!」
TERRAの青村が情報を送る。すぐさま春野が反応し、
【春野】「ビームシールド!」
敵のビーム攻撃に対し盾を張った。だがそこで動きを止めることはしない。さらに動いて回避した後、
【山中】「ビームブレード、出すわよ!」
【春野】「ああ!」
巨大な光の剣を抜いた。一閃、また1機が光の華と化した。
【青村】「あたしも手伝わなきゃ・・・エクストラキャノン砲、発射!!」
TERRAの主砲であるエクストラキャノンが火を噴く。次々と機体を巻き込み、撃破していった。
敵の機体が数機、グラン・ルネスに特攻をかける。だが、少々の攻撃ではビクともしない。
【山中】「グラン・ルネスの装甲は簡単には打ち破れないわよ・・・諒一っ!」
【春野】「分かってるっ!はあああっ!」
ビームブレードを振り回す。その軌跡は一見乱暴のように見えて華麗である。
戦闘することおよそ1時間。たった1機のスーパーロボットと1隻の宇宙船を前に、敵の大部隊は全滅した。
そんな話がまかり通るのがスーパーロボットの醍醐味である。
【春野】「いや、それ関係ないから。ま、実力っていうかぁ?」
【山中】「はい、寝言はいいから戻るわよ!」
と、足を踏みつける。
【春野】「いでででっ!分かった分かった、戻りますよ!」
エネルギー切れも近かったので、グラン・ルネスは分離して(ここ重要ね)一旦TERRAに帰還。補給と修理を行いつつ、地球突入の準備をする。
【青村】「TERRA、大気圏突入モードへ移行します!」
再びTERRAが変形する。やがて、大気との摩擦で外の景色が紅に染まる。
【春野】「これなら地球なんてちょちょいのちょいだな!」
【山中】「何言ってるの、これからが本番よ?」
【青村】「ですね。何が出てくるか、本当に分かりませんし・・・」
やがて、外の景色が青くなった。全員が窓に駆け込み覗く。
【山中】「これが・・・」
【青村】「母なる星・・・」
【春野】「地球・・・」
彼らが着陸したのは、草原地帯。
【山中】「すごい・・・見渡す限りの緑・・・これが草原・・・
ね、ねえ、諒一、外に・・・出てみない?」
・・・と、誘おうとするが。
【青村】「ちょっと待って下さい!?北東方向から、巨大なエネルギー反応!!」
(ごめんなさいお嬢様っ!折角ツンデレヒロインが主人公を誘う重要なシーンなのにっ!)
いや、そこ謝るトコじゃないと思います。
【春野】「くっ・・・来るかっ!グラン・ルネスは大丈夫か!?」
【青村】「何とか!出撃準備、開始します!」
【山中】「・・・行くわよ!」
【春野】「ああ!」
山中は心の中で泣いていた。やっと素直になれそうだったのにと。
<その3へ続く>