【その1】

遥か未来、チャオの知能が異常に高くなり、・・・

ええいもう面倒だ!あらすじは上の某さんの発言見てくれっ!

【主人公】「いいのかそれでっ!?」


                     ≪地球奪還大作戦!!≫


という訳でこの少年が主人公。といっても別に『主人公[しゅじん・こう]』という名前ではない。
春野諒一[はるの・りょういち]だ。年齢?さぁ。適当でいいんじゃね?名前も今考えたやつだし。

【春野】「『主人公』って名前の奴がいる訳ねーだろ!常識的に考えて!ってか年齢考えとけよ年齢!」

いや、アニメやゲームだとよくありえない名前ってあるじゃないっすか。
主人公がやたらアニメのテーマに沿った名前だったり、お嬢様だからナントカ院とか付ければいいやーとかそういうやつ。
あと年齢はこういう時は不詳ってことで。下流階層ならよくある話ですよ?

【春野】「俺はれっきとした麗族出身だっつーの!年は16だよ16!」

麗族―――この月世界における上流階級の名称である。
地球よりも過酷な環境下にある月において、地球時代の平均的な暮らしができるのはこの麗族だけであった。全人口に占める割合はおよそ1割。
そうでない者は、地球時代でいう「スラム」のような環境で暮らしている。

【春野】「ったく、でなきゃこんなムチャな要求通るはずがないってんだ。『デカイ宇宙船もらって地球へレッツ逆侵略♪大作戦』なんてな。」
【ヒロイン】「その滅茶苦茶なネーミング何とかしなさいよ!」

と、春野にツッコんだこの少女がヒロイン。といっても別に(略)
名前は山中友香[やまなか・ともか]。春野の近所に住む幼馴染で同級生でツインテールでツンデレという、まさに王道ド真ん中を行くヒロインである。
【山中】「後ろ2つ異議あり!」
【春野】「異議なし!続行!」

はい、異議ないようなので続けます。
【山中】「ええーっ!?」


この宇宙船に乗り込んだのは3人。春野と山中ともう1人、青村有紗[あおむら・ありさ]である。年は春野たちの1つ下、15歳。
実は彼女は麗族ではなく平民の出で、春野家に代々仕えるお手伝いさんとして暮らしている。言ってしまえばメイドさん。

・・・そこの読者、萌えるな。

気を取り直して。
彼女は麗族の家に代々仕える一家の娘ということで、他の平民よりはかなり裕福な暮らしを送っている。
主人にあたる春野の親も寛大な人間で、家の中では春野と分け隔てなく育てられ、また本人の希望により地球行きも認められた。
(それでも、市民権などの面で、麗族と平民の差は埋めがたいものがあるが)

【青村】「あのー、そろそろ地球みたいなんですけど・・・?」
彼女はこの宇宙船の操縦士兼砲撃手兼(略)兼オペレーターをしている。たった3人の宇宙船なので1人で色々とこなさなければならないのだ。
地球行きが認められて以降、猛勉強してその全てを一通り覚えた。努力では誰にも負けないのが彼女である。
【春野】「マジ!?」
春野が慌ててモニターを覗き込む。すると、もう地球が目の前に。

【春野】「よし、静止軌道に乗るぞ!これ以上進むと引力で落っこちちまうからな。」
春野の指示で青村が宇宙船を操作し、静止軌道に乗せる。

【山中】「ふー・・・こっからが本番ね・・・
     母なる星・地球・・・第4世代のあたしらにとって、歴史の授業上でしか出てこない存在・・・」

『第4世代』―――チャオに直接地球から追い出された人間を第1世代として、そのひ孫にあたることから呼ばれているこの世代の通称である。
地球から追い出されて80年、地球時代を知る人間は最早ほとんどいなくなった。その雰囲気が、彼らを地球行きへと駆り立てたのだ。

【春野】「ああ・・・『あれ』の準備はいいか?」
【青村】「整備、バッチリです!」


と、その時。
【山中】「な、何コレ!?地球から多数の飛行物体がこっちに・・・まさか!?」
そう、向こうが宇宙船の存在に気づき、攻撃を仕掛けてきたのだ。
【青村】「でも、警告も無しに!?」
【春野】「きっとグルリと囲んで警告する気だろうよ。・・・どう答えたってドカンと殺る腹積もりでな。」
【山中】「でも、あたしらには・・・」
【春野】「そう!月に追い出されて80年、人間が何もやってこなかったと思うなよ・・・!!」

<その2へ続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第259号
ページ番号
1 / 5
この作品について
タイトル
地球奪還大作戦!!
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第259号