ものごと(あらすじ
黒雲につきが見え隠れする雨の帰り道。夢のような出来事は、何日も前の話のようにおもえる。
ただ、今、この時間に帰り道を歩いているということは、
まぎれもなく、出来事があったということ。それくらいのことは分かる。
何時間かまえ、夕日がぽっかりと沈みかけた公園に漆黒のチャオは現われた。
そのチャオは、人の言葉を発し、人と同じだけの思考力があり(もちろん、他のチャオにもあるかもしれないけれど)何かを追い求めていた。しかし、そんなことはどうでもいい。
ただ、ただひたすらに、”違和感”を感じた。
それも普通の違和感ではなく、別の世界のもののように。
そしてあの組織はあらわれた。黒い服に身を包んだ男たちのことである。
まぁ、目が覚めた頃には、牢屋のような部屋に、ぶちこまれていたのだけれど。
まんまるい月がみんなを照らすころだった。
今は雨が降っている。
公園での出来事の痕跡を、流し去るように。
そしてほんの少し時間をさかのぼったころ・・・