ものごと ページ2

あらすじ 公園にあらわれた一匹のチャオ。このチャオとともに、大きく、運命が動き出します。


キキキーーーっっっ
景気のいい音が、公園の四つある入り口の一つ、北の入り口にとまった黒い車から発せられます。その音を耳にした誰もが、目を車に奪われます。夕日に照らされた車の陰に、並木の木々が、黒くにごみます。みんなの視線をいっせいに浴びた車からは、黒ずくめの人が二人でてきて、ゆっくりとした足取りで、こちらへむかってきます。
ぼくの胸の鼓動は、しだいにはやくなっていきます。
「ねぇ、あの人たち、なんなのかなぁ。」
そんなのんきなことを、秋は、耳元でつぶやきます。
そういい終わる頃には、目の前に、黒ずくめの人は、たっていました。
あなたたちは何者ですか。
そんなことをたずねようと、口を開きかけると、それを察したのか察していないのか、こういいました。
「われわれは、せいふのものだ。」(宇宙人じゃありませんよ^^;byぽと)
好奇心とは、なんというものなのだろうか。こんなあやしい人たちに対しても、質問をくりだします。
「あなた方は、なぜこんなところへ?」
翔と輝は、ぼくの足の後ろに、身を隠しています。震えていることを、小さな腕が、伝えています。
ぼくは少し、退きます。足に、じゃりじゃりとしたすなが、靴を通して、足に触れます。
「後で説明しよう」そうつぶやいたかと思うと・・・

気付いたときには、暗い、じめじめした部屋に横たわっていました。上体を起こして、周りを見渡してみる。おなかの辺りに淡い痛みが走ったけれど、そんなものは、気にならなかった。レンガの壁、レンガの床、レンガの天井、小さな鉄格子のついた窓に、鉄格子の正面の壁。
その鉄格子の中に、木の扉らしきものがあり、そのとびらには、ぐるぐるに鎖が巻かれています。
「ここは、どこだろう。出ることはできそうにないな。」
ここを一言で言えば、牢獄だろう。けれど、実際はどういう場所なのか、それが気になりました。
案外落ち着いた口調で口にします。
体をお越し、鉄格子ごしに外を見てみると、すやすやとたちながら眠っているライカが二匹。警備でもしているのでしょうか。その二匹のポヨは部屋中を明るくしていました。
ぼくの横の、翔の影が、とても大きくなっています。
と、そこへ、こつこつこつと、一定のリズムを保った足音が、聞こえてきました。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第183号
ページ番号
7 / 11
この作品について
タイトル
『違い』
作者
ポトッチ(ぽと)
初回掲載
週刊チャオ第157号
最終掲載
週刊チャオ第215号
連載期間
約1年1ヵ月11日