夏の夕日は ページ2
▼本編▼
「うん。そのために来たんだもん。」
家を出発して、秋と話を弾ましていると、あっというまに目的地に着きました。あたりには夏の香りが漂っています。耳をふさぐほどの虫のなきごえ、心地よい潮のにおい、生暖かい風やギラギラと照りつける日光。そして、目的の風景。そこは僕が幼いころによく遊んでいた公園です。いまでは翔や輝のお気に入りの場所。その公園は四方に開けた入り口があり、緑が多く、たくさんの生き物の生息地になっています。生き物がいるということもあって、子供たちもとてもたくさんいます。チャオは早速ブランコにとびのってゆっくりとこぎ始めました。ポヨをハートにしながら。
ふとベンチにめをやると、小さな女の子のすがたがありました。楽しそうに二匹のチャオとあそんでいます。
そのときは、その子を気にも留めませんでしたが・・・
近くのベンチに秋とこしをかけると、さっきの話を続けました。
知らないうちに、何時間もたっていました。ふと気がつくと、空は真っ赤に燃えているかのように、真っ赤になっていました。夕日も半分以上とおくの山にしずんでいて、こうえんには僕たちとベンチにすわっていた少女をのこして誰もいなくなっていた。僕の足元では翔が足を引っ張ってます。帰ろうとしたその瞬間、わすれていた違和感が頭に走りました。