~胸騒ぎの朝~
ある朝の事でした。僕は何か、違和感を感じていました。目を覚ました僕は、違和感を覚えながらも、ベットから降り、目を覚ますために、長い、さわやかな風が吹き抜ける廊下を抜け、今へ向かいました。目を覚ますためのコーヒーを飲みに行くためです。何も、変わったことはありません。ひとまず違和感のことは考えないことにしよう。いつもといっしょの普通の朝。今は夏休みの初め頃。これから何をするかもちゃんと予定があります。とりあえずパンをトースターに入れ、ソファーに座り込みました。ソファーは体をやさしく受け止めてくれました。片付いている居間の中心にある机の上に、出しっぱなしの雑誌のページが風にぺらぺらと音を立てていました。
「ドシッ」
何かがぼくの足にぶつかりました。
足に視線を移すと、青い風船のような体をもった頭の先がとがった生き物、そうチャオでした。そのチャオはもちろんただのチャオではありません。家族の、翔です。翔は、いつも僕が目を覚ました後、おなかをすかせて目を覚まします。なのでいつも朝は、おなかをさすりながら、ポヨをぐるぐるにして、おなかをさすりながら、
「チャオ~」
と、弱弱しく声を出すのです。今日もまた、同じでした。なので僕は、ゆっくりと立ち上がり、
「分かった分かった。すぐに持ってくるよ。」
そう言い聞かせるのです。すると、ぐるぐるは、一瞬でハートに変わります。そして無邪気に喜んでいました。
それを見届けた僕は冷蔵庫から木の実を取り出して、翔に渡してやるのです。それを夢中で食べ始める翔は、とても幸せそうでした。そのうちに僕もおなかがすいて、朝食にありつきました。
そのときはもう、違和感の事は頭にありませんでした・・・