33話

デストラク「くそ・・・」
はき捨てたその言葉からは彼の苦しみがよく現れている。
息遣いも荒く、しんどそうだ。

アイ「あまり我慢しないでね、けっこう痛いわよ?蒲公英」
彼女の手にはデストラクに刺さった手裏剣が何枚も用意されてある。
その手裏剣は黒く不気味に光っていた。

デストラク「我慢も何も・・・あきらめたら終わりだろう?」
彼は苦しそうな目をしているが、あきらめた目ではない。
必ず見せるであろう隙を見計らっているのだ。

チェイル「別に死ぬ訳ではありませんよ、質問をいくつかするだけです」

デストラク「貴様等悪人共に話す事は無いな」

ヴァルダ「悪人だぁ?」
今の言葉がヴァルダにとっては気に入らなかったらしい。
デストラク「あぁ、貴様等の目的は何か知らんが生体実験等、非道なマネを・・・」

ヴァルダ「!?」

デストラク「周りを人質にとったりと・・・手段を選ばぬやりかたには吐き気が・・・」


            

      「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



デストラクの胸倉を一気につかみかかり床にたたきつけた。
怒りに満ちたチェイルの姿はいつもの姿からは考えられない。

チェイル「言ってる事は正反対だ!お前達がやっているんだ!!」

デストラク「な・・・どういうことだ?」

チェイル「どうもこうも・・・貴方達が・・・」

デストラク「それが理解できない!私は今まで・・・証拠まで見た!」

チェイル「証拠・・・?」
どうも話を聞いていると辻褄が合わないらしい・・・

が関係無い。
何にも状況は変わりはない。
全てを奪った憎き敵ということには

握る手に力が込められる。

―その時だった。


「随分と苦戦を強いられているようですね?デストラクさん」
背後からは聞いた事のある声が聞こえてくる。

デストラク「あなたは・・・」

チェイルは恐る恐る後ろを振り返った。

この声・・・まさか・・・


「お久しぶりですね、№13。いえ、今はチェイル君でしたか?」

チェイル「リーフ!?」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第270号
ページ番号
37 / 39
この作品について
タイトル
チェイルの冒険
作者
ココア(3段アイス,ソード)
初回掲載
週刊チャオ第236号
最終掲載
週刊チャオ第274号
連載期間
約8ヵ月24日