29話
何もない真っ暗な世界。
ここは・・・どこだ?
上か下か、右か左かもわからない・・・
目の前に広がるのは暗闇だけ。
光がこの先に在るなんて考えられないような暗さだ。
何でこんな所に居るんだろう・・・?
そうだ。
僕はあの時、任務で機械を破壊しに行ってたんだ・・・
その時他の機械の攻撃が・・・!?
そうだヴァルダは?
床も壁も敵も味方もいない・・・?
身体は動く!
何か無いのか・・・?
歩いても走っても・・・この状況が変わる事がない。
まさか・・・SVCの・・・!?
・・・・・・
何か声が聞こえる・・・?
チェイルは全神経を聞く事に集中させた。
「もうすぐ災いが訪れる・・・」
「もう時間はない・・・暗闇が世界を覆うまでには・・・」
「あの人は全てを犠牲に地獄への門を開こうとしている・・・」
チェイル「あの人・・・?」
「最後の生贄を解放してあげて・・・・」
チェイル「生贄? うわっ眩し!!」
突如眩い程の光が世界を覆う。
暗闇が視界から消え去り、真っ白な世界がひろがっていく。
「・・・どうかお願い・・・・・・私と同じ【呪い】を持つ人・・・」
再び目を開けるとそこにはいつも眺めている天井があった。
チェイル「夢・・・?」