23話

シェルターは全開し、奥から何かが出てくる!

レビ「構えてろ!」

二人は身構え、奥から出てくるであろう兵器に備えた。


奥からゆっくりと現れたのは、見上げるような高さの人型兵器。
明らかに戦闘用の機械だ。この大きさだと対人用ではなさそうな事が疑問に残るが・・・


兵器は右腕を突き出すようにして、黄色く輝くプラズマ砲を撃ってきた。

二人は難なくかわし、相手との距離をつめていく。

ヴァルダ「これでもくらっとけ!」
ヴァルダは床を思いっきり蹴って、高く飛んだが兵器の胸板部分までしか届かなかった。

―――まぁ・・いけるだろ

顔を殴るつもりだったが、胸板の部分に拳をぶつけるが・・・

ヴァルダ「・・・硬っ!」

人型兵器の胸板には傷一つない。ヴァルダの拳が効いてないという事相当硬いという事だ。

レビ「ふせろ!ミサイルだ!!」

ヴァルダ「いっ!?」

肩の部分から小型ミサイルが2機、ヴァルダへと襲い掛かってくる。

ヴァルダ「ちょ・・うおぉぉぉぉぉぉ!?」

チェイルは鎖を使って間一髪、被弾せずにすんだ。

チェイル「大丈夫ですよね」

ヴァルダ「何とかな」

チェイルは素早く後ろへと回り込む。
そして鎖を両足に絡めとって一気にバランスを崩させようとするが・・・・

兵器はなんともなかったのように足を動かし、鎖は
いとも簡単にすり抜けてしまった。
チェイルは床に転がった鎖を呆然と見つめていた

チェイル「あれ?」

ヴァルダ「あれ?じゃねぇ!!」


チェイル「上手くいくかと思ったのに・・・」

レビ「俺もいい手だと期待したんだがな・・・」

チェイル「・・・・・・・!ヴァルダ!ちょっと協力して下さい。」

ヴァルダ「俺?」




チェイルはできるだけ小さなブロックを持ち上げると兵器の顔面部分に投げつけた。

――人型兵器の顔や頭には精密な機械がぎっしりだ。壊れるまではいかなくても・・・

ブロックは見事に当たり、兵器がよろめいた。

当たった瞬間、振り返って合図を確かめる。

――合図は・・・・OKが出た!


チェイルは兵器の足元近くで飛び跳ねるように挑発した。
兵器は踏み潰そうとするが、チェイルはたくみにかわしていく。
兵器はチェイルを潰そうとチェイルを追いかけていく。

チェイル「今だ!!引っ張って下さい!」

ヴァルダは柱に結びつけられた鎖を引っ張った。


兵器は鎖に足を引っ掛けて、豪快に転んだ!

チェイル「今だ!ヴァルダ!」

ヴァルダ「わかってらぁ!!」

ヴァルダは兵器の頭の部分に拳を振り落とした。
さっきのと比べて手応えありという顔をしている。

もう一発振り下ろすと完全に頭の部分は故障し、大きな鉄くずと化した。

ヴァルダ「これでスクラップ行き決定だな!」

レビ「兵器といってもあっけなかったな」

チェイル「そうですね・・・・・」

―――妙な気配を感じたけど・・・気のせいかな?

チェイルは辺りを見回してみる。
それらしき気配はやはり感じ取れるが、辺りに異常はない

チェイル「さっさと帰りま・・・ 危ない!!」
チェイルはヴァルダを強引に押した。

チェイル「うわぁ!!」
先程、兵器が出てきたシェルターから紫の光線がチェイルに被弾し、遠くに吹っ飛ばされた。

ヴァルダ「チェイル!?!」

ヴァルダはチェイルの元へと寄り添った

チェイル「戦わ・・なきゃ・・・・僕・は・・・・・」

ヴァルダ「おい・・・チェイル? 目覚ませって なぁ・・・おい! チェイルーー!!」

レビ「どうした?」

ヴァルダ「チェイルが敵の攻撃を喰らった! 目を覚まさねぇ」

レビ「落ち着け!」


ヴァルダ「あぁ・・・・ レビ、早くチェイルを保護してくれ」

レビ「どういう意味だ?」

ヴァルダ「守りながら戦うなんてのは趣味じゃねぇんだよ」

レビ「わかった・・・すぐ行ってやる!」

ヴァルダの周りには50近くの警備機械と、人型兵器に囲まれていた。

「警告 警告 貴様モソノ人物ノヨウニナリタクナイノナラオトナシク降伏セヨ」

ヴァルダ「黙れ」

ヴァルダのその一言で機械達はだまりこくった。

――レビ・・・マジで早く来てくれよ・・・・

ヴァルダ「かかってきやがれぇぇぇ!!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第251号
ページ番号
25 / 39
この作品について
タイトル
チェイルの冒険
作者
ココア(3段アイス,ソード)
初回掲載
週刊チャオ第236号
最終掲載
週刊チャオ第274号
連載期間
約8ヵ月24日