15話
あらすじ
ある意味での要注意人物、ヴァルダとなりゆきで練習試合をする事になったチェイル。
ヴァルダの実力はいかに?
~地下闘技場~
ここは黒影に所属する職人、または職人志望者が戦闘の訓練を行う場所だ。
かつてはチェイルやアイ達もここで訓練を行い、職人となったのだ。
そして今も職人を目指し、ここで訓練をする者は絶えない。
ヴァルダ「着いたぞ~!!」
チェイル「ドアぶっ壊されて、休暇なくなって・・・なんて厄日だ・・・」
ヴァルダ「いいじゃん 後でおごってやるから」
レビ「お前 この前財布落として俺に金借りたまま返してねぇだろ・・・?」
ヴァルダ「はぁ?」
レビ「はぁ?じゃねぇ!! また忘れやがったな!」
ヴァルダ「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
チェイル「とっとと終わらせたいんで・・・早くしましょうよ・・・」
レビ「じゃ~さっそくはじめましょう。鎖職人のチェイルと単細胞ヴァルダの対戦です。」
チェイル「ぷぷっ」
ヴァルダ「何て意味だ 今の?」
チェイル「知らぬが花ですよ。」
ヴァルダ「・・・??」
レビ「では審判はレビが務めます!それでは両者共に、準備はいいですか?」
チェイル「OKです!」 ヴァルダ「いつでもいいぜ!」
レビ「READY FIGHT!!」
レビの合図と同時にヴァルダがチェイルへと走りかかってきた。
チェイルは動かず、相手の動きを観察する。
ヴァルダの武器は両手にはめたガントレット。
あれならリーチは鎖の方が数倍ある。
距離を離しながら戦えば・・・・
ふと考えを止めた、チェイルまで後数歩というところまでヴァルダがやってきていた。
ヴァルダはスピードのあるパンチをチェイルへと当てようとする。
チェイルはそのパンチをひたすらかわす。
ヴァルダの戦闘力は明らかに職人クラス。
他の職人志望者と比べ圧倒的な運動能力を持っている。
その頃 ~観客席~
観客席にはたくさんの人でいっぱいになっていた。
昼休みの時間つぶしで対戦を見にきているのが大半らしい。
フラン「すっごぉ~い ヴァルダって強いんだぁ~」
アイ「チェイル君はまだ本気出してないからね」
フラン「いいや あせってるね。」
アイ「そんなことないわよ」
フラン「・・・やけにチェイルのみかたするね~ どうしたの?」
アイ「特に何もないけど・・・」
フラン「うそだぁ~」
アイ「?」
ヴァルダ「これはどうだ!!」
ヴァルダは地面を蹴って高く飛び上空から落ちるタイミングに合わせ、拳をふりおろした。
チェイルは難なく回避したが、ヴァルダの拳が落ちた所の床にはヒビが入っていた。
――あんなのくらったらひとたまりもない!
チェイルはヴァルダとの距離をあけた。
チェイル「こんなに強いのに・・・なんで職人登録されないんですか?」
レビ「何も考えずに戦ってるからだよ。」
チェイル「・・・えぇ!?」
レビ「ほら」
レビと会話しているうちにまた距離をつめられヴァルダのラッシュが続く。
しかし恐ろしく速くて重い攻撃だが、いわれてみると確かに拳をがむしゃらにふりまわしているイメージだ。
それなら・・・
チェイルはさっきヴァルダがヒビを作った時にでた小さな小石みたいなものを足で蹴り上げ、ヴァルダの顔に当てた。
ヴァルダは急な出来事に一瞬、体の動きを止めたが・・・
ヴァルダ「そんなん・・・効かねぇ!!」
チェイル「!!」
ヴァルダの強烈な一撃がチェイルの腹に入った。
チェイルは勢いで、空中へと飛ばされる。
ヴァルダ「どうだ!?」
チェイル「・・・ひっかかりましたね、腕を見てください。」
ヴァルダの腕には鎖が巻きつけられていた。
腹をぶん殴ったあの一瞬の時に。
チェイル「これはどうです?」
そういうとチェイルは鎖を引っ張りヴァルダを地面から無理矢理ひきはがし、床にたたきつけた。
しかしチェイルもその勢いで思いっきり床に倒れこんだ。
レビ「結果は引き分け・・・まぁまぁだな・・・・」