13話
あらすじ
絶対絶命の状況下だったVSギリ戦。
チェイルは何とか勝つ事ができた・・・
チェイル「フラン!着きましたよ!!」
フラン「ここが・・・フウさんの言ってた所??」
チェイル「えぇ・・・ここがです・・・」
チェイル達の目の前の建物には大きく看板にこう書かれていた。
”オペラシティー”
チェイルは看板にでかでかと書かれた文字を見つめながらフウに告げられた事を思い出した。
フウ「次は一旦本部行け 馬鹿弟子。」
チェイル「本部ってオペラですか?」
フウ「本部がいくつもあるわけねぇだろが 馬鹿弟子。」
チェイル「馬鹿馬鹿言い過ぎです。”例の人”よりか数倍マシですよ。」
フウ「あいつか・・・とにかくまかせた。」
チェイル「ちょ・・・・・・・切られた・・・・・」
”オペラシティー”は丁度この都市の真ん中に位置している。
この都市には他にオペラ会場は無い、その為か連日たくさんの人がやってくるのだ。
ここが”黒影”のアジトとは誰も思わないだろう。
フラン「ここはぼく初めて来たんだぁ~ けっこう大きいね~」
チェイル「やっぱり本部ともなると立派ですね、さっさと入りましょう。」
フラン「は~い」
チェイル達は裏口から入っていった。
第一ホールからたくさんの一般客が出て行く、今日の演劇はもう終わったらしい。
廊下には演劇のポスターが張られている。
”ダーイア” ”Oh my Good!” ”紅の涙”
更にチェイル達は奥へ進んでいくと関係者専用の入り口が見えた。
無論、ドアの前には見張りがいる、黒影のメンバーだ。
「IDカードの提示と暗号を」
チェイルとフランはIDカードを提示した。
チェイル「D O K」
「・・・どうぞお入り下さい」
フラン「アンゴウなんて知らないからあせったよぉ~」
チェイル「先行っててください。」
フラン「えぇ ちょ・・・チェイル!?」
フランを一人置いてチェイルは今来た道を引き返していった。
チェイルは一人、都市から少し離れた丘にいた。
ここからはこの都市全て見渡せる。
夜、ここの丘から見える都市は幻想的な光を放っていてとてもきれいだ。
それに都市だけじゃなく、夜空を見上げればたくさんの星が見える。
しかも今日は満月だ。ここで満月を見たのは黒影に入った時の1回だけだ。
身を切るような寒い風が体に吹き付けるが、それでもずっと眺めていたい気分になる。
「僕は・・まだ・・・大丈夫・・・・でも・・・・・・・・・・・・」
「チェイル君♪」
チェイル「のわぁ!!?誰!?」
アイ「私よ どうしたの?」
チェイル「・・・アイさん!? どうしてここが?」
アイ「ずっとつけてたのよ」
チェイル「気づかなかった・・・」
アイ「それにしてもこんなきれいな所知らなかったわ チェイル君のお気に入りの場所?」
チェイル「えぇ そうですよ」
アイ「あ 寒いからこれでも羽織ってて まだいるんでしょ?」
アイが取り出したのは温かそうなコートだった。
チェイル「ありがとうございます。じゃもう少し・・・」
チェイルはコートを羽織り、いつもとは少し違う夜景をこころゆくまで楽しんだ。
翌朝・・・
チェイル「・・・・もう朝か。」
フラン「・・朝ごはんまだ~?」
フランはまだ眠たいらしく、目をこすりながらそう言った。
チェイル「朝ご飯か・・・買いに行きましょう。」
フラン「え~メンドクサイ」
アイ「じゃぁサンドイッチでも食べる?」
自動ドアの向こうからアイが入ってきた。大きなお皿の上にはサンドイッチがたくさん盛ってある。
フラン「おいしそ~」
アイ「飲み物は何にする?」
フラン「オレンジジュース!!」
チェイル「じゃあ牛乳でお願いします。」
テーブルの上にコップや小皿が人数分置かれていく。
フラン「いただきま~す!」
チェイル「これ苺ジャムですか?」
フラン「こっちはタマゴとハムだ~」
アイ「まだまだあるからいっぱい食べてね」
チェイルはハムの具が見えるサンドイッチに手を伸ばし、それを口へと運んだ。
そして牛乳で一緒に飲み込もうとした時・・・
自動ドアが勢いよく、テーブルの上を飛んで行った。
チェイルは思わず横にいたフランに牛乳を吹き付けた。
チェイル「何ですか!?」
フラン「汚いよ! チェイル~」
ドアの向こう側には一人のチャオが頭をポリポリとかきながら突っ立っていた。
腕は紫色の腕と堅そうな爪、そして頭からピョンと出ている触角・・・
「よぅ! お前の部屋のドアあんな開き方するのか?」
全員「ヴァルダ!!?」